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ファストファッションが消える、ショッピングモールの未来

10/11(金) 9:01配信

DIGIDAY[日本版]

気軽に、かつ新しい商品を次々から着られるスピード。このようなニーズのもとで、ファストファッションは良くも悪くも成長した。このカテゴリーに存在するブランドたちはサステナビリティを持ってはおらず、長期的な持続性はそもそも考えていない。彼らの企業理念には、購入した消費者が何かに貢献したと感じられるようなポジティブなものもなく、彼らのカスタマーサービスも質が悪いことはよく知られている。しかし、消費者に対してトレンドを真っ先に、しかも低コストで届けるという役割を長らく果たしてきた。そして消費者たちはファッションのために、こういったブランドに欠けている点を無視することを厭わなかった。

しかし、時代は変わりつつある。先日発表されたフォーエバー21(Forever 21)の破産によって、ファストファッションというカテゴリーの現状と、今後の方向性が見えてきた。

スピードはファストファッションだけのものではなくなった。あらゆるブランドがいまや、主にAmazonと競争するために、「ファースト」になろうと取り組んでいる。第2に、消費者の購買行為において、もっとも障壁を低くできるのがeコマースだ。しかし、ファストファッションブランドはこれまでの歴史において、実店舗を中心に成長してきた。最後に、レストランやジム、そしてその他の体験型のテナントの必要性が増えているなか、ショッピングモールのデベロッパーたちは、どのリテールテナントを収容するか、より厳しく吟味するようになった。ファッションのために確保されたスペースはどんどんと縮小しており、非常に貴重なスペースとなった。そんななか、魅力的なデジタルネイティブブランドが望まれるようになっている。

ファッション業界の光と影

ファストファッションの中心的ブランドたちにとっては、苦難の時期が続いている。3月、チャプター11(Chapter 11)が破産と94店舗の閉鎖を発表して数週間後には、シャーロットルッセ(Charlotte Russe)が抱える500店舗すべてを閉鎖・清算すると発表した。いくつかのロケーションは新しいオーナーのもと、再オープンをしている。5月には、トップショップ(Topshop)がアメリカにある11の店舗すべてを閉鎖する計画を発表した。また、ここ数年に視野を広げると、ウェットシール(Wet Seal)、べべ(Bebe)、デリア(Delia)といったショッピングモールの常連たちも破産もしくは実店舗の閉鎖となっている。デリアは完全にビジネスを閉じている。

それとは対照的に、リテール売上がeコマースへとシフトするなかで、デジタルネイティブなファストファッションブランドたちは良い流れを引き込んでいる。ファッションノヴァ(Fashion Nova)は、そのなかでも特筆すべき存在だろう。苦しい時期が続いていたナスティ・ギャル(Nasty Gal)ですら、ブーフー・グループ(Boohoo Group)に2017年に買収されて以来、良い兆しを見せてきており、オンライン売上にフォーカスを維持している。長期に渡り、業界の大手として君臨してきているブランドを見ても、グローバルに約5000店舗を抱えるH&Mは3年連続で収支のスランプに陥っている。Zara(ザラ)は苦しんでいるわけではないものの、売上の成長速度は緩まりつつある。だが、Zaraは賢く、eコマースに対するフォーカスを増してきている。

フォーエバー21の場合、合計で約350店舗を閉鎖する計画だが、アメリカの店舗に関しては数百店舗をキープし、eコマースサイトも維持されるだろう。

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最終更新:10/11(金) 9:01
DIGIDAY[日本版]

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