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平成後期のカープを彩った梵英心が現役引退を表明

10/11(金) 12:14配信

広島アスリートマガジン

10月11日、かつて広島東洋カープの遊撃手として一時代を築き、社会人野球・エイジェック野球部で選手兼コーチとして現役を続けていた梵英心選手が、“選手”としての現役引退を表明した。引退について、以下のようなコメントが発表された。

「この度、私事ではございますが、2019年10月11日をもちまして現役を引退することを決めました。2018~19年シーズンはお世話になった社会人野球に恩返しをしたいという思いで、エイジェック硬式野球部で選手兼コーチとして活動してきました。新しい環境で新しい出会いもあり、今まで以上にやりがいを感じながらプレーをしてきましたが、現在のチームメイト、これから野球の環境を求めてくる選手のため、プレーヤーとして 「区切り」をつけようと決めました。今まで支えていただきましたファンの皆様、球団関係者の皆様、各チームでの戦友には感謝の気持ちでいっぱいです。本当に有難うございました」

17年オフにカープを退団した梵は、18年6月に栃木県小山市を拠点とする社会人野球チーム『エイジェック硬式野球部』に選手兼コーチとして加入。自身のルーツである社会人野球に13年ぶりに復帰し、社内業務の傍ら選手生活を続けていた。エイジェックは18年から社会人野球に新規参入したチーム。それゆえ選手の経験もまだ浅く、すべてが発展途上の段階だった。チームはその現状を早期に打破すべく、プロ野球で結果を残してきた梵の経験を求めた。

地元広島の三次高から名門の駒澤大を経た梵は、日産自動車時代には首位打者の獲得、社会人ベストナインなどを受賞。その活躍がスカウトの目にとまり、05年にカープが大学生・社会人ドラフト3巡目で指名された。25歳でのプロ入りにはなったが、山本浩二以来37年ぶりとなる新人開幕スタメンを掴み取ると、以降もコンスタントにヒットを量産。結果、新人安打数球団記録を48年ぶりに更新するなど、期待に違わぬ活躍を見せて新人王を獲得した。同タイトルの獲得は、球団野手では84年の小早川毅彦以来二人目の快挙だった。

野村謙二郎氏を新監督に迎えた10年には、チーム唯一の全試合出場を果たして初の打率3割(.306)をマーク。97年の緒方孝市以来となる盗塁王(43個)、ショートとしてゴールデン・グラブ賞も受賞した。その後は11年に自打球で左膝を故障するなど、コンスタントに成績を残すことはできなかったが、「ここぞ」という場面では勝負強い打撃を披露し続けた。13年には、規定打席に僅か届かなかったものの、打率.304をマーク。球団初のクライマックス・シリーズ進出に大きく貢献した。グラウンド以外では14年から2年間、選手会長としてチームをまとめた。リードオフマン、ときにはクリーンアップとして、万年Bクラスと揶揄された低迷期のカープを支え続けた。

先日、引退を発表した永川勝浩とは同郷の同学年で幼馴染。地元のプロ野球球団に入団しファンを熱狂させたスター選手が、奇しくも同じ年に選手生活を終えることになった。

「選手として一区切り、引退という形になるのでしょうけど、自分の中では本当にそういう気持ちがなくて。野球に携わっていく以上は、引退という気持ちにもならないと思います。まだやりたいこと、やらないといけないことがあるので、チャンスがあればもう少し野球の世界で頑張ってみようと思っています」

“選手人生”は一区切りとなるが、野球に関わっていく以上、これからも梵英心の“野球人生”は続いていく──。

広島アスリートマガジン編集部

最終更新:10/11(金) 12:14
広島アスリートマガジン

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