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ヒルは木から落ちてこない、すべて地面から登ってきたもの!

10/11(金) 11:50配信

YAMAKEI ONLINE(ヤマケイオンライン)

はじめまして。三重県の鈴鹿山脈の麓で、「子どもヤマビル研究会」という団体のコーディネーターをしている樋口大良です。

「子どもヤマビル研究会」は、自然や生き物が大好きな小中学生数名が集まって、子どもたちが主体となってヤマビルの生態を研究している団体で、毎週研究会を開いています。指導者はいなくて、全員が対等の研究者として活動しています。

今回、この場をお借りして、これまでヤマビルについて研究してきた成果を発表させていただきます。

登山者にとっては、苦手、嫌い、気持ち悪い、という「ヤマビル」ですが、生態を知ることで、苦手意識が少しでも減れば、いざという時にも、冷静に対処できるのではないかと思います。

「ヒルは木から落ちてくる」というウワサの真相を探る

「ヤマビルは木から落ちてこない」。この研究成果を発表したのは、2018年2月に行われた、「三重生物研究発表会」でした。この発表により、「子どもヤマビル研究会」は、三重県博物館長賞を受賞しました。

これまで「ヒルは木の上から落ちてくる」と言われていましたが、私たち「子どもヤマビル研究会」では、そのような場面には出くわしたことがないし、自然の理屈に合わないと考え、2015年以来、研究を続けてきました。

その結果「ヒルは木の上から落ちてくることはない」という結論に達しました。今回はそのウワサの真相を私たちの研究成果から紐解いてみたいと思います。

まず、「ヒルが木から落ちてくる」というウワサの根源を調べてみると、小説『高野聖』(泉鏡花著、1900年)に、「ヒルは木から雨のように降ってくる」と書かれています。

この小説は、全国で広く読まれたので、世の中でそのように信じられて行ったと思われます。最近では、山登りのガイドブックなどに、「ヒルは上から落ちてくるので首筋のガードを」と書かれているものが見られます。

「ヒルが木から落ちてくる」がどのくらい信じられているのかと思い、2017年6月に名古屋で行われた「夏山フェスタ」の来場者100人にアンケートをとったところ、「ヒルは木から落ちてくる」という回答が69%もありました。

そして「それはどこから聞きましたか」という問いに対して57%の人が「他人から聞いた」と答え、「本」からは27%でした。「落ちてこない」と答えた人は、わずか3%でした。いかにうわさで広まっているのかがわかります。

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最終更新:10/11(金) 11:50
YAMAKEI ONLINE(ヤマケイオンライン)

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