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MOM級の輝きを放った伊東純也。3アシストはどのようにして生まれたのか。そのポイントを解説

10/11(金) 11:51配信

フットボールチャンネル

 日本代表は10日、2022年カタールワールドカップ・アジア2次予選の第2節でモンゴル代表と対戦し、6-0の大勝を収めた。この試合でMOM級の輝きを放ったのが、右サイドハーフで先発出場を果たしたMF伊東純也。持ち味のスピード。ドリブルを生かし、幾度となく相手の左サイドを切り裂いたのである。同選手はこの日、実に3つのアシストを記録したが、それはなぜ生まれたのか。各ゴールのポイントを解説する。(取材・文:河治良幸)

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●スタメン起用に応えた「IJ」

 森保一監督が率いる日本代表はモンゴルに6-0で快勝し、9月のミャンマー戦から2022年カタールワールドカップ・アジア2次予選で二連勝となった。この試合でMOM級の働きを見せたのが4-2-3-1の右サイドハーフでスタメン起用された「IJ」こと伊東純也だ。

「ゴールも取りたいですけど、チームの得点になるのがいいことで、縦に抜いてクロスあげた方が可能性が高いことが多いので、アシストが増えているかなと思います」

 前回は直前の試合で負傷し、万全の状態でチームに合流できなかったが、ベルギーのゲンクでここまで5アシストを記録している俊英は守備を固めるモンゴルのサイドを切り裂き、正確なクロスで前半のうちに3つのゴールをアシストした。

「自分としてはタテにタテにどんどん行って相手の嫌なところにボールを入れてくっていう部分は強みに持ってるので、そこはやっぱ試合に出たら出してかなきゃいけない」

 そう語る伊東の3アシストを分析する。

●22分、南野拓実の得点

【前半22分】得点者:南野拓実

 守備を固める相手から先制点を奪うことは常に重要だ。伊東も右サイドから絡む形で多くのチャンスを作るも、なかなか決められずに迎えた22分、センターバックの吉田麻也が相手FWのチェイシングを引きつけながら、ボランチから右横に落ちてきた遠藤航にパス。遠藤はインサイドに流れた伊東に縦パスを出すそぶりから、右サイドバックの酒井宏樹に展開する。

 伊東は酒井にボールが出た瞬間にインサイドから外のスペースに動き直し、酒井から縦パスを引き出すと、そのままボールとともに深くまでえぐり、ノートラップで右足のクロスを放った。するとゴールのニアサイドに飛び込む永井謙佑の背後で、モンゴルのディフェンスの合間に飛び込んだ南野拓実が完璧なタイミングでヘディング。シュートはゴール左に突き刺さった。

 中央に守備を固めるモンゴルに対して「なるべく早いリズムで早いパスでサイドを変えて行こうと思ってた」とボランチの柴崎岳が語ったが、速いテンポで横、縦とつなぎながら、伊東がうまく駆け引きで相手のディフェンスを外し、パスを受けてそのままクロスに持ち込む形が見事にはまった。

●33分、長友佑都の得点

【前半33分】得点者:長友佑都

 セットプレーからの吉田麻也のゴールで2-0とした状況から。モンゴル陣内でボールを持つ状況で、左サイドから中央に流れた中島がディフェンスラインの手前に降りて、吉田の縦パスを受け、吉田の右隣に位置する冨安健洋に斜めのバックパスを出した。

 冨安は右アウトサイドの前方にポジションを取っていた伊東に速いグラウンダーのパスを送る。そこから伊東は縦に仕掛けると見せかけてインを突き、そこからインサイドの南野とのワンツーでディフェンスの裏に抜けると、1点目に引き続きノートラップでDFビルグーンの股下を通すグラウンダーのクロス。GKアリウンボルドとDFトゥルパトの間を抜けるボールをファーサイドでフリーになった長友佑都がゴールに流し込んだ。

 1点目とシチュエーションは似ているが、今後はセンターバックの冨安からボールを引き出し、そこからディフェンスとうまく駆け引きする形で裏を取った。その間に永井謙佑、さらに起点となった中島がペナルティエリア内に入り込むことで、ファーサイドに完全なフリースペースが生じ、長友がそこに入ってきたことで、勝負を決定付けるゴールが生まれた。

●40分、永井謙佑の得点

【前半40分】得点者:永井謙佑

 モンゴルのディフェンスがルーズになってきたシチュエーションではあるが、右サイドで伊東と酒井の見事なコンビネーションから永井のゴールが生まれた。右サイドの後方から冨安、吉田、ボランチの柴崎、そして左の長友とパスをつなぐと、左サイド前方の中島に展開される。中島が得意のドリブルで縦にえぐり、左足のクロスに持ち込むが、ボールがファーサイドに抜けた。

 そのボールを拾った伊東は後ろからフォローに来た酒井にバックパスすると、酒井は伊東と入れ替わるように前に出て、モンゴルのディフェンスを引き付ける。それにより手前に引いた伊東がフリーになると、今度は酒井がタイミングよくバックパス。そこから伊東がダイレクトでゴール前にクロスを上げると、ニアサイドに飛び込む南野の背後で永井が完璧に合わせてヘディングシュートを決めた。

 3つのアシストとも伊東がダイレクトでクロスを上げており、それが相手ディフェンスの対応を非常に難しくしていることが分かる。「ほとんど思ったところに蹴れました」と伊東は振り返るが「欲を言うなら2、3回もうちょいいいところに上げれるなって思ったシーンもあったんで。満足したら終わりなんでもっともっと精度上げれるように頑張りたい」と語る。

 縦に抜け出しクロスを上げる。そのプレー自体はシンプルだが、3つのアシストともディテールで異なるシチュエーションから記録しており、これだけのスピードと精度を発揮したら危険と分かっていても相手は対応しにくいだろう。ベルギーで明らかな成長を見せる伊東はこれまでなかなか日本代表で存在感を示すことができなかったが、伊東にとっても“森保ジャパン”にとっても今後の戦いに光明となる試合になった。

(取材・文:河治良幸)

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最終更新:10/11(金) 11:52
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