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ラグビーW杯が前評判を覆して日本人を虜にした「3つの理由」

10/11(金) 6:01配信

ダイヤモンド・オンライン

● 「日本開催なんて誰も知らない」 から一転、熱狂のラグビーW杯

 開幕直前までは「オリンピックと違って、日本で開催されるなんて誰も知らない」とか、「本当に盛り上がるのか?」などと心配されていたラグビーW杯ですが、フタを開けてみたらそんな心配など杞憂に終わるほどの熱狂が始まりました。予選プールAで、番狂わせを含めた連勝を続ける日本代表の頼もしい姿に、日本中が興奮しています。

 さて、このラグビーW杯ブームを目にして、経営戦略の専門家としては、「この現象はきちんと分析しなければいけないな」と思うのです。なぜなら、ある商品やサービスのブームを生み出すのは経営の永遠のテーマであり、なかなか難しいことなのです。

 そこで今回は、前評判が芳しくなく、かつサッカーや野球に比べてマイナー競技だったラグビーが、なぜこれだけのブームを巻き起こすことができたのかを分析してみようと思います。

 ブームが起きるケースには様々なパターンがあるのですが、今回のラグビーW杯ブームは、類似性についていえば、2011年、サッカー女子W杯で起きたなでしこジャパンブームと非常によく似た社会現象だと捉えることができます。そこで両者の類似点を考えると、次の3つの条件が整えば、このような大ブームが起きるのではないかと考えられます。

 (1)そもそも知られていないだけであって、コンテンツとしてはものすごく潜在力がある。

 (2)世界の壁と戦う日本代表の姿に、日本人の琴線に触れるものがある。

 (3)自分が感情移入できるキャラクターを持ったスター選手が、必ず代表チームに存在する。

 2011年当時、女子サッカーはマイナーな存在でしたが、サッカー自体にはそもそも世界中を熱狂させるだけのコンテンツ力があります。その女子サッカーの日本代表が、体格的には大きな差がある欧米の代表チームの壁をパス回しの技術で乗り越える姿は、表現は正確ではないかもしれませんが、「判官びいきの日本人」の琴線に触れるものがありました。

 そして澤、宮間、大野、阪口、川澄、丸山、熊谷、岩清水、海堀と、それぞれキャラの立った、後にスターとなる選手たちの姿がそこにありました。バラエティに富んだキャラを持つチームゆえに、その中には自分を投影して共感できる選手が必ずいるのです。

 こうした3つの要素がそろったことが、2011年になでしこジャパンブームが起きた要因です。この線に沿って今回のラグビーW杯ブームを分析してみると、まったく同じ状況が生まれていることがわかります。

● 人を熱狂させるだけの コンテンツ力がある

 そもそもラグビーW杯は、オリンピック、サッカーW杯とならぶスポーツ界の世界3大イベントだといわれています。「いやいや、今行われている世界陸上だって人気はあるよ」とおっしゃる人もいるでしょうが、ラグビーとサッカーのW杯が別格なのは、A代表による世界頂上決戦がオリンピックでは行われないからです。

 15人制ラグビーはその消耗性から、開催期間が17日間しかないオリンピックにはそもそも不向きで、オリンピック種目としては過去4大会でしか開催経験がありません。ラグビーの世界の頂点を決める大会はラグビーW杯しかなく、その意味でスポーツ界では別格の大会となっているのです。

 そして今、ラグビーW杯の虜になっている日本人が感じているとおり、ラグビーには人を熱狂させるだけのコンテンツ力があります。

 ちなみに、私が最初にラグビーの魅力を知ったきっかけは、40年近く前に自分が卒業した県立高校で、ラグビーがとても盛んだったことが理由です。なにしろ、ラグビーW杯のPRキャプテンである舘ひろし大先輩が初代ラグビー部長を務めたという伝説が残る学校で、公立ながら花園に2度出場するほどのラグビー強豪校です。体育の授業では、ラグビー部顧問の熱血教師によるガチなラグビーの授業が行われて、当時の卒業生はその意味で皆、ラグビー経験者でした。

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最終更新:10/11(金) 6:01
ダイヤモンド・オンライン

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