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TOTOはなぜ「清潔なトイレ使い放題サブスク」に出資したのか

10/11(金) 6:00配信

日経クロストレンド

 アプリでトイレの場所を探して利用予約できるスタートアップがサービスを本格化している。月約20ドルのサブスクリプションもしくは1回約1ドルの料金で利用できる。TOTOは同社への投資を公表し、公共トイレの将来像を探り始めた。

 Good2Goはスマートフォンでトイレの利用を予約できるサービスを提供するスタートアップだ。2014年に現CEOのフラン・へーラー氏が米サンフランシスコ市で創業し、2017年にサービスを開始。現在約10人の従業員がいる。

 米国ではセキュリティーの問題などで、日本のように街中の公共トイレが整備されていない。サンフランシスコのような大都市でもそうだ。トイレのためカフェに入ってコーヒーを注文することもある。

●ウーバー運転手や観光客に的

 こうした状況にへーラーCEOが目をつけた。「地元に不慣れな観光客はもちろんだが、ウーバーやリフトなどライドシェアのドライバーなどにも利用してほしい」(へーラーCEO)と言う。自身も街中にトイレがないことで不自由した経験がある。

 清潔なトイレを簡単に利用してもらうための仕組みも必要だった。「単にトイレを使える場所のマップを作っただけでは、清潔でなかったり、セキュリティー上問題があったりするトイレもリストに入ってくる可能性がある」(へーラーCEO)

 そこで考え抜いたのが、利用者に加えてカフェやスーパーなど施設側のメリットだ。

 まずは状況に応じてトイレを改装する。そのうえでトイレにIoTセンサーを導入するので、1日の利用状況がデータで把握できるようになる。アプリでは利用後にトイレが清潔であったかどうかをフィードバックする。「そうした情報を施設と共有すれば、他の顧客も含めた満足度向上につながる」(へーラーCEO)。こうしてカフェなどが場所を提供してくれるようになった。費用負担についてはケース・バイ・ケースだという。

●予約したトイレに近づくとドアが開く

 Good2Goのサービスを利用するにはスマホアプリをダウンロードしたうえで、1回、1日、月単位のプランを選択する。それぞれ0.99ドル、2.99ドル、19.99ドルである。1カ月20ドルでトイレを利用し放題のサブスクリプションと捉えることができる。1回0.99ドルであれば、カフェでトイレを使うためにコーヒーを3~4ドルで注文するのに比べれば安いと考えることもできる。

 アプリの地図上で対応施設を選ぶと予約ができる。IoT対応のため現在利用中かどうかも分かる。施設に行った際に空いていない場合、自分の番が来るとスマホで知らされる。

 スターバックスなど米国のカフェにあるトイレは、利用する際に店員から暗証番号を聞いてスマートキーに入力するのが一般的だが、そうした手間はない。

 利用者がスマホを持って施設のトイレの前に行くだけでドアが開き、中に入るとロックがかかる。出るときもセンサーに手をかざすだけでドアが開く。施設によってはスマホのカメラで、トイレの前にあるQRコードを読み込むことでドアが開く。まさにレジなしスーパーのAmazon Goのようなフリクションレスを実現している。スムーズに利用できるうえ、ドアを触らないので衛生面でもメリットがある。

 へーラーCEOは米製薬大手のブリストル・マイヤーズスクイブでビジネス開発の上級副社長を務めた経験があり、現在も医薬業界に関わっている。このため「患者など様々な状況に置かれた利用者が快適にトイレを利用するにはどうすべきかを考えた。今後、超高齢化社会が来て、多くの人にとっても身近な問題となる」との考えも持つ。

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最終更新:10/11(金) 6:00
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