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巨大な台風やハリケーンは、海洋の生態系にも影響を及ぼす

10/12(土) 20:14配信

WIRED.jp

10月に入ってから、ハリケーン「ロレンソ」として知られていた嵐が最大風速80マイル/時(約35.7m/秒)の強風、大雨、洪水によって、アイルランドと英国に被害をもたらした。ロレンソはアゾレス諸島からブリテン諸島へと、まが玉のような進路を蛇行しながらカテゴリー4へと成長し、のちに勢力が衰えてハリケーンの指定から外れていった。

赤道に連なるハリケーンの列は、「地球の終わり」を示しているのか?

このロレンソには、9月にバハマの上空で“立ち往生”するような動きを見せたハリケーン「ドリアン」のような壊滅的な威力はなかったものの、かなり広い範囲にわたって問題を引き起こしている。科学者らは島や沿岸都市の住人に与える影響だけでなく、海自体に与える影響の観点からも、ロレンソのような嵐に注目している。

ハリケーンが引き起こした変化

話を8月下旬に戻そう。ヴァージニア州ノーフォーク在住の海洋物理学者であるタル・エゼルの自宅付近では、800マイル(約1,287km)以上も南の海を激しくかき回していたドリアンの影響が感じられた。ハリケーンの風によって生じた高潮の影響を感じるにはあまりに距離があるが、交通を麻痺させ、日課のジョギングを台無しにするほどの小規模な洪水が発生したのである。

エゼルによると、ドリアンは実際にフロリダから北大西洋の沿岸を北へと流れるメキシコ湾流の速度を、50パーセント近くも低下させたのだという。彼にそれがわかるのは、フロリダとバハマの間に伸び、海流の速度を測定する巨大海底ケーブルからデータを取得したからだ。

通常、メキシコ湾流は東海岸沿いを非常に速く流れている(時速3~5マイル)ため、海水を海岸の外へと押し出している。比較的冷たい川の中央を流れる、温かく流れの速い水流を想像するといいだろう。ところが、ハリケーンの風が一時的にメキシコ湾流の流れを停滞させると、その海水が海岸線へ向かって押し戻されるのだ。これらの現象は、近隣で発生した洪水も含め、エゼルらが発見した。

「わたしたちはドリアンがバハマ近くに停滞したときから洪水を確認していました」と、オールド・ドミニオン大学の地球科学者でもあるエゼルは話す。そして予想通り、ドリアンがヴァージニア州を通過していくと洪水はひどくなった。

しかし、これは沿岸部と深海の両方においてハリケーンがもたらした広範囲にわたる変化である。まだ科学者たちは一連の現象の解明に着手し、理解し始めることしかできていない。

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最終更新:10/12(土) 20:14
WIRED.jp

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