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【ヒットの法則23】FRにこだわった初代BMW1シリーズには「BMWのプライド」が感じられた

10/12(土) 19:30配信

Webモーターマガジン

116i、118iに乗ってわかる1シリーズの真価

2004年10月に日本市場に登場した初代BMW1シリーズは。まず120iから上陸を開始。2005年にはいよいよ116iと118iが販売されて本格導入となった。いまやプレミアムCセグメントカーとして欠かすことのできない存在となっているが、当時はどのように受け入れられたのだろうか。(タイトル写真は116i。以下の試乗記は、Motor Magazine 2005年5月号より)

【写真】リアビューやインパネ、エンジン、シートなどを見る

BMW1シリーズの日本市場への導入は「段階的」であった。「日本」という、外国のプレミアムメーカーにとっては「莫大ではないが重要で限られた」マーケットにおいて、段階的導入という手法は理解できるし、本国での生産問題や日本における認証手続きなど、いくつかのハードルだって存在するだろう。わかるが、登場を待ちに待った身には、それがツライ。いずれにしても日本の輸入車好きは、対象が何であれ新型車が登楊すると「飛びつく」か「慎重に待つ」という選択を迫られるわけである。

6シリーズのような、あらゆる意味で飛び抜けたモデルであれば、逆に悩みは少ないいち早く手に入れることが第一義ですらあるから、高いグレードだけをズドンと先に出せばいい。それがこの1シリーズのようなラインナップのボトムを支えるべきモデルが相手となると、評価する方だって買う側以上に慎重にならざるをえない。後から出てくるという、価格的に魅力なグレードに乗ってこそ真価を計ることができると考えるのが当然だからだ。価格的に安いクルマの方が、コストパフォーマンスの判定がシビアになるのは世の常でもある。

昨年2004年9月に日本での販売が始まった1シリーズだが、価格や装備の発表こそ120i、118i、116iの3グレード同時に行われたが、市場にまず投入され我々が評価できたのはトップグレードの120iだけであった。税込みの値段は高い方から顛に、366.5万円、324.5万円、そして288.8万円と発表されたから、多くのユーザーにとって最初の関心事である価格面だけを考えれば、300万円を割った116iの性能が最大のテーマであったとしてもおかしくない。

とはいえ筆者は「116iに乗ってみないことには評価は暫定的でしかないな」と思いつつ、トップグレードの120iに乗っただけで1シリーズの誕生を祝いたくなったうちのひとりではあった。

BMWらしい健やかで伸びのあるエンジン、アクセルペダルの踏み込み次第で時に官能的ですらあるエンジンサウンド、曲がる・止まるにも理想的な重量配分が生み出すドライバーとの一体感、重めのフィールだが積極的に操作して楽しみたくなる正確で素直なステア特性、そしてそれらを包みこむ味わい深く個性豊かなスタイリング、質感が高く実用的なインテリア、よくできたシート、などなど。その魅力は枚挙にいとまなし。入門BMWの座を3シリーズから奪うクルマとして、十分存在感を認めることができたものだった。

それでも自信満々100%の「太鼓判」を1シリーズに押せなかったのは、やはり後出しの116iや118iに乗ってみてガッカリしたらマズイな、と考えたからだ。

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最終更新:10/12(土) 19:30
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