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フェラーリによるモーターショーの新しいカタチか──1万4000人が訪れたウニベルソ・フェラーリとは?

10/12(土) 21:42配信

GQ JAPAN

自動車業界全体が過渡期に移行する中で、モーターショー的なものの役目も変わりつつある2019年。実際にフェラーリは、ブランド90周年の節目に合わせ、新たなブランディングの方法として1カ月にわたる大規模なイベントを開催した。ウニベルソ・フェラーリで、いったい何が行われたのか、西川淳がレポートする。

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フェラーリの宇宙

一カ月にわたってマラネッロ(フィオラーノ)で開催されたイベント、“ウニベルソ・フェラーリ”が幕を閉じた。「何だそれは?」という方もいらっしゃると思うので、まずはその概要を簡単に記しておこう。

イタリア語のウニベルソとは英語でいうところのユニバースで、言うまでもなく“宇宙”とか“世界”という意味だ。つまり、件のイベントは“フェラーリの世界”とでも訳すのが適当だろう。同時にこのタイトルで、イベントの主旨は十分に説明されると思う。

今年(2019年)もまたフェラーリにとって節目の年だった。スクーデリア・フェラーリ、正式名ソシエタ・アノニマ・スクーデリア・フェラーリの90周年。エンツォ・フェラーリが後のフェラーリ社の核となった自身のレーシングチーム(株式会社)をモデナに設立してちょうど90年が経ったというわけだ。ちなみに、これは有名な話だけれども、エンツォ自身がキャリアを積んだマシンも、またジェントルマン・ドライバーたちにスクーデリア・フェラーリを通じて供給したマシンも、当初はアルファロメオだった。

“ウニベルソ・フェラーリ”イベントがフェラーリ本社(なかでもスクーデリア・フェラーリ部門)に隣接するテストトラック“フィオラーノ”の脇に設営されたのも、その90周年を祝うという意味が多分にあったと思う。会期はイタリアGPの開催される九月の一カ月。フィオラーノの奥に立てられた立派なイベント施設には、フェラーリの今と昔のハイライトが詰め込まれていた。

フェラーリのすべてを体験できる

終わったばかりのイベント会場のなかを振り返ってみよう。入ってすぐに出迎えてくれたのは、今期のGPシーズンを戦うF1マシン、SF90だった。その脇にはベルギー、イタリア、シンガポールと会期にまるで合わせたかのように3連勝した証、グランプリ・トロフィーが“さりげなく”展示されていた。

隣の部屋へ移動すれば、いっきに過去へとタイムスリップ。そこは“フェラーリ・クラッシケ”と呼ばれるクラシック部門の展示で、ブース中央にはその価値50億円は下らないと言われる至宝のコレクターズアイテム250GTOが鎮座していた。フェラーリ・クラッシケでは過去モデルの認定(工場出荷時と同等の内容であることの証明)やレストレーションのみならず、最近ではアカデミーも開催し人気を博している。クラシック・フェラーリの扱い方や走らせ方をフィオラーノでみっちり学ぶというスペシャルプログラムだ。

さらにその奥の部屋へと進めば、そこにはフェラーリオーナーにとって究極であり対極にある2つの世界観が同時に展示されていた。

ひとつはカヴァルケード(直訳すれば馬車の行進)に代表される“GTライフスタイル”展示、もうひとつはFXXプログラムやF1クリエンテといったトラック活動を支援する“コルソ・クリエンティ&コンペティツィオーニGT”展示だ。6億円以上で取引されるラフェラーリ・アペルタやル・マン24hレースでクラス優勝した488GTEなどが飾られていた。

要するに、公道(グラントゥーリズモ)とサーキット(コンペティツィオーニ)という対極のシーンにおける究極のフェラーリライフを紹介するもの。いずれもフェラーリオーナーにとっては憧れの世界であり、そこに到達することをオーナーになってからの目標にするカスタマーも多い。

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最終更新:10/12(土) 21:42
GQ JAPAN

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