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「ジョーカー」大ヒットまでの苦難多き道のり

10/12(土) 16:00配信

東洋経済オンライン

 映画『ジョーカー』が、世界的に大ヒットしている。北米のオープニング成績は9600万ドルと、10月公開作品としては史上最高記録。北米外でも32カ国で10月の記録を更新し、この週末だけで世界興収総額は2億5000万ドルに達した。

【写真を見る】世にも奇妙な「ジョーカーの笑顔」

■ヒーローがいっさいでない「アメコミ映画」

 これだけ聞くと、よくあることじゃないかと思うかもしれない。たしかに、ここしばらく、映画館はアメコミ映画が席巻しているし、それらは1位になることを前提に作られている。しかし、『ジョーカー』を見た人はおわかりのとおり、今作は決して“スーパーヒーロー映画”ではない。

 登場人物は誰もスーパーパワーを持たないし、マントもつけていない。アクションフィギュアとして売れそうなかっこいいヒーローは、いっさい登場しない。

 また、ジョーカーは『バットマン』の悪役ではあるが、DCコミックスのスーパーヒーローを集めた『ジャスティス・リーグ』とも、ジャレッド・レトが演じたジョーカーが登場した『スーサイド・スクワッド』とも、まったくつながりはない。

 これは、オタク少年たちでなく、大人の観客を狙った、独立した1本の人間ドラマ。17歳未満は大人の同伴が必要とされるR指定を受けていることが、何よりそれを物語っている。だからこそ、ここまでの数字を出したのは、異例の快挙なのだ。

 今作を製作配給したワーナー・ブラザースも、これだけの成功を収めるという強い確信をもっていたわけではなかった。実際、トッド・フィリップス監督によると、ワーナー側は当初、彼の売り込みを一蹴したそうである。それは、十分納得できること。ハリウッドのメジャースタジオが、今、最優先するのは、全世界の観客に幅広くアピールし、シリーズ化、商品化ができる、大型アクション映画だからだ。

 ワーナーはバットマン、スーパーマンなどが登場するDCコミックスの映画化権をもつ。安定したヒットが狙えるヒーロー映画を作れる彼らが、わざわざ観客の層が限られるR指定の映画を作る魅力は、あまりない。アメリカの真ん中辺りの保守的な街では、R指定の映画はいっさいかけないという映画館が、今もあるほどなのだ。

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最終更新:10/12(土) 16:00
東洋経済オンライン

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