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消費増税で逆に儲かる「意外な企業」の見つけ方

10/12(土) 5:45配信

東洋経済オンライン

 駆け込み需要が大きければ、当然、その反動は大きく、前回増税後の消費の落ち込みは駆け込み需要の反動減によるものが大きかったと思われる。今回は増税によって消費動向に大きな波が生じることはなく、既に節約志向が染み付いた日本の消費者は粛々と増税に対応していくのだろう。むしろ、社会保障制度の維持に向けた財源の確保が一歩進められたことが、いずれ消費者の安心感を醸成していくことを期待したい。

 一方、企業サイドでは小売、サービス、飲食など消費関連業種を中心に、業績に与える影響をかなり警戒しているようだ。増税による消費マインドの冷え込みが売上高の減少を招くかもしれないし、価格競争が激化すれば収益に及ぼすダメージは大きくなる。大半の企業にとっては、消費増税が業績の負担になることはあっても、追い風になることはない。しかし、投資家サイドに立てば、そのような状況でも消費増税が中長期的な利益成長を後押ししそうな企業には、是非とも注目しておきたい。

 まず、一般的な話として増税後は消費者の節約意識が強まると見られ、消費の二極化が一段と鮮明になる。そうなると、消費関連の“勝ち組”企業がさらに優位性を発揮することになるではないか。作業服だけでなくアパレルの“勝ち組”といっても過言ではないワークマン(7564)や業務用スーパーを展開する神戸物産(3038)、安売りの殿堂ドン・キホーテを展開するパン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(7532)などは価格の優位性で消費者の認知度を高めており、追い風になる可能性が大きい。

■初導入のポイント還元や幼児教育無償化などが恩恵

 また、今回初めて導入される軽減税率やキャッシュレスによるポイント還元、幼児教育の無償化でもビジネスチャンスを見出す企業がありそうだ。2段階の税率が導入されることで多くの店舗で新しいレジが必要となる。レジスターには大きな特需が発生するが、普通のレジスターであれば、今年限りの売り上げ増になる。しかし、例えば、クラウドでPOSレジシステムを提供するスマレジ(4431)ではサービスを月額料金で提供しているため、増税に伴って契約が増えると先々も月額料金が増えるので中期的な収益押し上げ要因となる。

 また、同じ飲食物でも「店内の飲食は10%、持ち帰りは8%」ということになるので、消費者の持ち帰り派が増えそうなことや、飲食店サイドでも持ち帰りの導入店舗が増えそうなことは、飲食物の容器最大手であるエフピコ(7947)には強い追い風になりそうだ。その他、幼児教育の無償化は幼い子どもたちを抱える家計において、レジャー・遊園地、子供服・用品、外食などへの支出を促す可能性がある。関連企業の業績には注目しておきたい。

 限られた小遣いでやりくりする身には確かに痛い増税だが、投資家の立場では、ぼやくばかりではなく、チャンスを前向きに探していきたい。

有沢 正一 :岩井コスモ証券 投資調査部長

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最終更新:10/12(土) 5:45
東洋経済オンライン

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