ここから本文です

個人年金保険の節税効果 条件厳しくイデコより限定的

10/13(日) 7:47配信

NIKKEI STYLE

公的年金だけでは老後が不安です。個人年金保険という商品の勧誘を生命保険会社から受けました。節税効果もあるといいますが、税制優遇のある個人型確定拠出年金(イデコ)などと比べるとどうなのでしょうか。
◇ ◇ ◇
60歳などとあらかじめ決めた年齢になると、保険金を年金のように受け取れるのが個人年金保険です。保険といっても死亡保障の機能は限られ、保険料の払込期間中に亡くなればそれまでに払った保険料分が戻ってくる程度です。
個人年金は大きく分けて、将来の受取額が契約時に決まっている定額型と、保険会社の運用実績に応じて変わる変額型があります。定額型の場合、保険会社が保険料(手数料控除後)を運用するときの目安とする予定利率は現在0.6%前後です。かつてバブル期に6%台の商品があったのに比べると、貯蓄商品としての魅力は薄れています。
個人年金は保険料が年4万円(2012年以降の新規契約)まで所得控除の対象となり節税効果があります。ただし適用には細かな条件があります。(1)保険料の払込期間が10年以上(2)年金の受け取り開始が60歳以降で期間が10年以上――などです。
条件を満たさない場合や、変額型商品のケースでは個人年金保険料控除は適用されません。一般の生命保険料控除の対象となり、他の定期保険などと併せてカウントされます。枠を使い切っていれば追加の節税効果はありません。

大手生保が扱う個人年金を例に保険料控除の効果を考えてみます。35歳の男性が、60歳から月5万円の保険金を10年間(総額600万円)受け取る契約をするとします。支払う保険料は「月1万9000円強」(25年間の総額約580万円)です。
このケースでは個人年金保険料控除の対象として年4万円を控除できます。所得税率が20%の人であれば節税効果は「年8000円」。25年間なら「合計20万円」です。それなりの効果はあります。
しかし節税効果に注目すると他にもっと有利な投資優遇制度があります。代表例がイデコです。毎月の掛け金の全額を所得控除できます。勤め先に企業年金がない会社員のケースでみると月2万3000円まで控除可能です。
前例と同様に月1万9000円を積み立てる場合、その全額を控除できるので節税額は「年4万5600円」。25年間だと「合計114万円」に上ります。積み立て資産を60歳から受け取るには加入期間10年以上などの条件がありますが、節税効果は個人年金保険を大きく上回ります。
[日本経済新聞朝刊2019年10月5日付]

最終更新:10/13(日) 7:47
NIKKEI STYLE

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事