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こころの応急措置(MHFA)に学ぶ、精神障害を抱えた大切な人との接し方

10/13(日) 22:21配信

エスクァイア

一番重要な質問こそ、しなくてはならない

 私はジャーナリストとして、人と話すことを仕事にしてきました。

 特に、トラウマを負った人たちと関わることが多かったです。しかし、インタビューを受ける相手というのは、事前にこれから難しい対話をしなければいけないという、こころの準備をする時間があります。

 しかし身近な愛する人と話をするのは、インタビューとは違います。

 自分が専門家でもないのに、深い話をするのは恐ろしいものです。自分の言った一言で事態が深刻化してしまったら? 何か間違ったことをしてしまったら? そんな思いをしたことが、あなたにもあるのではないでしょうか。

 どんなに心底相手のことを心配していても、私生活に介入するというのは心地いいものではありません。米国行動保健学協議会によると、多くの人がメンタルヘルスに問題を抱える人を避ける傾向にあるそうです。

 同じクラスにいた警察のコンサルタントによると、この恐怖のせいで私たちは他人の問題を、見て見ぬ振りをしてしまうのだと言います。

 「乱射事件が起きると、犯人の家族や友人はいつも驚いています。しかしサインは、いたるところに現れていたのです。兆候は必ずあります。ただ、見逃してしまっているだけなのです」と、その人は話していました。

 またこの恐怖が、「あなたは自殺を考えていますか?」というダイレクトな質問を聞きにくくしているのです。

 「あなたがその質問を恐れているのが伝わってしまうと、悩んでいる相手は、『その答えに耐えられないだろう』と、あなたに対して思ってしまう可能性もあります」と、講師は教えてくれました。

 この会話をするためには、落ち着いて自信を持つことです。少なくとも、そのように振る舞いましょう。腕を組んだりせずに開いた姿勢をとり、相手の話に注意深く耳を傾けます。向かい合わせに座るとプレッシャーを感じてしまうので、隣に座ったほうが相手も話しやすくなります。意外かもしれませんが、自殺について聞くことで感情をさらに刺激してしまうことはありません。通常は、逆に冷静になって気持ちを鎮めることができます。こうして、役に立つ情報と退屈な講義が混ざった講習は、幕を閉じました。

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最終更新:10/13(日) 22:21
エスクァイア

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