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「マーベル映画は映画ではない」としたマーティン・スコセッシ監督の真意

10/13(日) 23:10配信

エスクァイア

 現在公開中の映画『ジョーカー』をめぐって、その内容ゆえに「インセル(involuntary celibate=非自発的な禁欲主義者)などの犯罪を誘発するのではないか!?」などの解釈が、世間を騒がせる事態となっています。が今度は、マーベル映画に関しても、論争が飛び出しました。その論争のテーマは、「マーベル映画はアートなのか?」になります。 
 
 事の発端は、2019年10月上旬に2019年11月27日に配信予定のNetflixオリジナル映画『アイリッシュマン』をプロモーション中のマーティン・スコセッシ監督が、英「エンパイア」誌のインタビューで「 マーベル映画は観ない」と表明したばかりか、「映画ではない!」との考えを語ったことからになります。 
 
 スコセッシ監督は、「マーベル映画は観ません。もちろん観てみようとしましたが、あれは映画ではありません」と発言。「うまくできているし、俳優たちは置かれた環境の中でベストを尽くしている。正直なところ、最も近いものとして思いつくのは、テーマパークになります。人間が感情的、心理的な体験を他の人間へと伝えようとする、そんな映画ではありません」との見方を示しました。 
 
 「ハリウッド俳優の約9割がマーベル映画に関わっている、もしくは関わったことがある」という現状では、誰かがこの意見に反応するのは当然の成り行きと言えることでしょう。

 米「バラエティ」誌は2019年10月5日付の記事で、MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)でニック・フューリー役を演じているサミュエル・L・ジャクソンにインタビューし、スコセッシ監督のコメントに対する意見を聞いています。 
 
 ジャクソンは、「バッグス・バニーは面白くない…と言っているのと同じことです。映画は映画。同じように、誰もがスコセッシ監督の映画を好きなわけではありませんからね…」として、「みんながそれぞれの意見を持つ、それでいいと思います。何か言われたからって、誰も映画づくりを止めないことでしょう」とコメントしました。 
 
 ジャクソンのこのコメントを受けてマーベル関係者のツイッターは、まるで『アベンジャーズ/エンドゲーム』でアベンジャーズたちがサノスに立ち向かっていったように、スコセッシ監督に対する反論が続きました。

 中でも、「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」シリーズのジェームズ・ガン監督(SNSの過去の投稿をめぐって、色々なことがあった人物ですが…)は、「自身がスコセッシ監督のファンであるとしたうえで、『映画ではない』との発言に動揺した」と述べています。

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ジェームズ・ガン監督のツイート内容: 
「マーティン・スコセッシ氏は、現存の監督の中で5本の指に入るほど好きな監督です。監督の作品『最後の誘惑』に関しては、人々が作品を観もしないで抗議することに怒りを感じていましたが、その監督が私の映画を同じように評価していることを悲しく思います」

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 「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」シリーズに出演した女優カレン・ギランは、「ハリウッド・リポーター」誌のインタビューで、「(マーベル映画には)魂も心もたくさん込められています。ジェームズの魂も…。彼は自身の人格やユーモアのセンスなど、たくさんのものが作品に吹き込まれています。人間としての彼の『人となり』をとてもよく表しているのだから、とても映画的よ。彼はアーティストだと思うわ」とコメントし、ガン監督を援護しました。 
 
 「アベンジャーズ」シリーズの最初の2作を手掛けたジョス・ウェドン監督も、ジェームズ・ガン監督に味方するツイッターを投稿しています。

 この言葉で最初に思い浮かんだのは、ジェームズ・ガンのこと。そして、彼の心と魂がいかに「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」シリーズに込められているか、ということです。 
 
 少しこの話に関連することを言ってみるなら…、「スーパーヒーロー映画は、『ゴーストライダー』や『ファンタスティック・フォー』などの時代から抜け出していない…そんなことは決して言えないのです。2018年に公開された『ブラックパンサー』は、アカデミー賞で3部門の賞を獲得し、作品賞にもノミネートされているのです。マーベル・スタジオにしてみれば、驚異的な興行収入記録に花を添える喜びとなったわけです。

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最終更新:10/13(日) 23:10
エスクァイア

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