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ラグビーW杯 日本戦だけじゃない決勝トーナメントの見どころ

10/14(月) 15:01配信

FRIDAY

安定感あるウェールズと予測不能のフランス

準々決勝第3試合は、ウェールズ対フランスという顔合わせになった。

ウェールズは今年2~3月に行われた欧州6か国対抗で全勝優勝を果たし、今大会直前には史上初めて世界ランキングで1位になるなど今が絶頂期。

現在のウェールズの充実を支えているのは、世界屈指と評される堅牢な組織ディフェンスだ。全員が献身的に体を張り、タフな相手、厳しい局面になるほど底力を発揮。また防御で圧力をかけることで生まれるターンオーバーやインターセプトからのカウンターアタックは、重要な得点源になっている。

フランスは近年低迷が続き前評判はあまり高くなかったものの、初戦でアルゼンチンから大きな白星を挙げ、トンガにも23-21で競り勝ってプールC2位でベスト8に滑り込んだ。

フランスは好不調の波が激しいチームで、勢いに乗った時は手がつけられないほどの爆発力を有する反面、気乗りしない時はさっぱり……という二つの顔を持つ。今年の6か国対抗でのウェールズ戦は、ホームで前半16-0とリードしながら、後半急失速し19-24で逆転負け。今度は同じ轍を踏まないよう、しっかりと気持ちを整えてくるはずだ。

経験豊富な布陣を誇るウェールズに対し、フランスは才能あふれる若手のエネルギーを武器に挑む。安定感のウェールズか、予測不能のフランスか。いずれが勝つにせよ、スリリングな展開のゲームになるだろう。

◆南アフリカ戦、日本は再び世界を驚かせられるか

準々決勝最後の試合は、日本対南アフリカ。

史上初めて決勝トーナメント進出を果たしたジャパンの相手が、前回大会で歴史的勝利を挙げた南アフリカというのは、運命的な巡り合わせというほかない。

W杯直前、9月6日の直接対決では、南アフリカが41-7で完勝している。しかし日本にすればエース福岡堅樹が開始早々に負傷交代するというアクシデントがあったことに加え、W杯に向け手の内を隠しておきたいという思惑からサインプレーをほとんど使わず、南アフリカが得意とする真っ向勝負で戦った結果という背景もある。すべてのオプションを惜しみなく出せる今度の対戦は、間違いなく違った展開になるだろう。

南アフリカのプレースタイルは、世界最高クラスのフィジカルを誇るFWを前面に押し出し、ハイボールと激しく体を当てるディフェンスでプレッシャーをかけるパワーラグビーだ。まともにぶつかり合えばジャパンは分が悪い。前回大会のようなスマートなラグビーで揺さぶり、僅差で後半の走力勝負に持ち込むことが勝利の鍵となる。

トニー・ブラウンアタックコーチが練り上げたジャパンの攻撃の核心は、多彩な一次攻撃で有利な状況を作り出し、早いテンポで相手防御が整うより先に仕掛け続ける組織力とスピード感だ。南アフリカの防御はリアクションや横の動きにはルーズな面もあり、相性は決して悪くはない。

これは守る場合も同様で、南アフリカはシンプルに強みを生かし攻めてくるぶん、的を絞りやすい。運動量で上回りダブルタックルできっちり止めれば、相手はどんどん手詰まりになっていくだろう。

何より今のジャパンには、プールマッチでつかんだ確固たる自信と、ホームの大声援という絶大な後押しがある。前回W杯の“歴史的勝利”を再現することは、決して不可能ではない。

文:直江光信
1975年熊本市生まれ。県立熊本高校を経て、早稲田大学商学部卒業。熊本高でラグビーを始め、3年時には花園に出場した。現在、ラグビーマガジンを中心にフリーランスの記者として活動している。著書に『早稲田ラグビー 進化への闘争』(講談社)

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最終更新:11/15(金) 12:37
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