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「投げない怪物」佐々木朗希を日本プロ野球界は育てられるか

10/14(月) 7:00配信

NEWS ポストセブン

“令和の怪物”こと佐々木朗希(岩手・大船渡)が10月2日、プロ志望届の提出を報告し、「12球団OK」の姿勢を表明した。10月17日のドラフト会議では夏の甲子園で準優勝した石川・星稜の奥川恭伸と共に複数球団の競合が必至だ。

「誰にも相談せず、自分の意思で決めました。真っ直ぐが一番の武器ですが、ピッチング、フィールディング……野球におけるすべてのプレーを高めて次のステージに行きたいと思います」

 ドラフト史を振り返っても、ここまで異色の高卒ドラ1候補はいない。

 大船渡第一中、大船渡高校、そしてU-18野球W杯と、佐々木はその「怪物級」の能力が評価される一方で、故障リスクから大舞台で指導者が「投げさせない」という判断を下すデリケートな存在だった。中学時代にエースナンバーを背負ったのは、中2の秋だけ。成長痛や腰の疲労骨折などによって、リハビリ生活を送った時期も長く、最後の夏の大会もほぼ棒に振った。

 高校入学後も、佐々木の入学と同時に大船渡に赴任した國保陽平監督が肩やヒジへの負担を考慮し、連投や投球過多を回避しながら起用してきた。

 今年4月の高校日本代表第一次選考合宿では、163キロを記録する。甲子園に一度も出場していない佐々木の注目度は俄然高まったが、國保監督にとっては、「163キロに耐えうる骨、筋肉、関節、靱帯に成長していない佐々木の身体」への気遣いも必要だった。

 甲子園か、佐々木の将来か──國保監督は後者を選び、岩手大会の決勝で佐々木の登板を回避させた。球児にとって最大の夢である甲子園よりも、球界の宝となるべき球児の身体を守ったのだ。

「投げない怪物」の存在は、高校野球に新たな価値観が登場したことの象徴である。

 日本高等学校野球連盟は9月20日に「投手の障害予防に関する有識者会議」を開き、来春の選抜から「1週間で500球以内」「3連投禁止(3日続けての登板の禁止)」といった投球制限を設ける方針を固めた(3年間は試行期間)。岩手大会での佐々木の登板回避という“事件”が、議論を加速させた側面もあるだろう。

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最終更新:10/14(月) 7:00
NEWS ポストセブン

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