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【男子バレー】またとないチャンスをつかんだ男 山内晶大 アーカイブ『アスリートの肖像』

10/14(月) 12:01配信

バレーボールNEXt

恩師の夢も背負っていざ世界へ

 全日本に登録されても、大学の試合や授業を理由に、なかなか合流できない大学生も多いが、植田監督は南部監督に「どんどん使ってください」と快く山内を送り出した。14,15年の2年間、山内は全日本のほとんどの試合と遠征に帯同した。
 そうすることが、日本男子バレーが世界で戦えるチームになるために必要だと、植田監督は考えたからだ。
「最近のオリンピックなんかを見ていると、準決勝あたりになったらミドルブロッカーの打ち合いでしょ。そう考えると、大きいミドルを作るというのは大事。やっぱり日本代表には、オリンピックに行ける行けないではなくて、メダルに届くか、届かないか、というところでバレーをしてほしいという思いがありますから」
 そんな恩師の夢も背負う山内は、この2年間、全日本でセッターの深津英臣とともに、世界に通用するクイックへとコンビを改造した。トスを少しネットから離し、高い打点から長いコースに打ち込む。
「以前はネットに近いトスを打っていましたが、それだと、世界のブロックにガバッと来られた時に、打つコースがなくなってしまうので、少し割れた(ネットから離れた)トスを打つようにしてきました。最初は、入る位置がつかめなかったし、離れて入る分、下に打ち落としたらネットにかかってしまうので、長いコースに打たなきゃいけない。それも難しかったです。今では慣れて、ネットに近いボールの方が打ちづらくなりましたけど」
 代表2年目の昨年は、深津とのコンビの精度が上がり、ワールドカップでは7試合で先発出場。カナダ戦では清水の14点に次ぐ13得点を奪う活躍を見せた。クイックが決まることで、両サイドのブロックが1枚になったり、パイプ攻撃(コート中央部分からのバックアタック)も機能し、日本の理想的な展開になった。
 ただ、相手が世界トップレベルのチームになると、深津はなかなかクイックにトスを上げられなくなった。強豪チームのミドルブロッカーと勝負させるには、まだ怖さがあったのだろう。
 山内自身も「まだまだ未熟です」と自覚する。
「技術も、体作りも、考え方も、もっとスキルアップしなきゃいけない。特にトスがベストじゃなかった時の対処の仕方が自分は全然ダメだった。もっと嫌らしいところにいなすなど、細かい部分の質を高めたい。ブロック面は、手の出し方や移動、それに相手セッターとの駆け引きですね。アルゼンチンのデセッコなど、ブロックを見てくるセッターと対戦する時は、例えば、相手がレシーブしてセッターにボールが返るまでの間は、わざとレフト側に寄っていて、セッターがボールを取る瞬間に逆に動いてライトにかける、というように。相手が嫌だなと思うような駆け引きをやっていかないと」
 以前はベンチの指示通りに動くことで精一杯だった山内が、駆け引きを口にした。それだけ視野が広がったということだ。

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最終更新:10/14(月) 12:03
バレーボールNEXt

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