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桑田真澄を父に持ったMattという異才のプライド──キラキラした世界で夢を与えたい

10/14(月) 20:41配信

GQ JAPAN

Mattは、父である桑田真澄と仲が良いことを公言している。いま、父子の関係は従来のカタチから変わったのか? 偉大な父を持つプレッシャーはないのか? Mattに訊いた。

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坊主頭やユニフォームが嫌だった

かつては「地震・雷・火事・親父」といったぐらい、父親は怖い存在の代表だった。では、桑田真澄という野球界のスーパースターを父に持つタレントにして音楽家のMattにとって、父は火事の次ぐらいに怖いのか? 「家族」における父と子の関係の現在をさぐるべく、超有名人の家に生まれ育った超個性派の若き才能に、「父と子」についてインタビューした。

まずは、「大事なことは父に相談して、ふたりきりで話し合う」とテレビ番組で語っていたことについて。どんなことを相談するのだろう。

「なんでも相談しますね。たとえば小学校を卒業するときに、そろそろ進路を決めなければいけないと思って相談しました。野球とピアノとバイオリン、それに絵をやっていて、野球もすごく評価されていたけれど、自分は芸術の道に進みたい、と相談の結果、決めたんです」

やはり、偉大な父と同じ道を進むことがプレッシャーだったのだろうか。

「というより、坊主にしたりとかユニフォームを着ることとか、土の上で何かをすることが嫌で、家の中でピアノを弾いたり絵を描いているほうが、自分の魂が喜ぶ感じがしたんです」

Mattは、野球よりも音楽をやりたい、と父・桑田氏に伝えた。

「音楽をやりたいと言ったときにはわかったって答えてくれたけれど、そのときの後ろ姿はちょっと悲しそうでした。父はよくマッサージをしてくれるんですが、いまでも僕の足を揉みながら、この足だったら凄い選手になっていたなんてちょいちょい言ってくるんで、本音は野球をやってほしかったんだと思います。でも兄が野球を続けてくれたんで、兄には感謝しています」

親の七光りは使わない

Mattには、桑田氏からのアドバイスで忘れられないことがあるという。

「高校は吹奏楽部が強い学校に進んで、2年生のときに団長を決める選挙があったんです。7人が立候補してひとりずつスピーチをするんですけれど、僕は学校生活であまり素行が良くなくて、でも部を引っ張っていきたいという想いは強かった。すると父が、学校の伝統を継承しつつ新しい自分たちの歴史を築きなさいとアドバイスしてくれたんです。それが僕の心に響いて、部員にも伝えることができて、結果として団長に選ばれました。伝統を継承するという言葉は僕には思いつかないな、と感心したんです」

そしてMattは、父を尊敬していて、桑田真澄の次男として生まれたことに感謝していると続けた。

「父とはすごくコミュニケーションをとっていて、感情的に怒られたことはないけれど人生の節目でアドバイスをしてくれて、親子としての関係はきちんと築けていると思います」

では、有名な父を持ったことで、普通なら感じることのない重圧を感じたことはないのだろうか。

「僕は2世タレントという言葉で括られますが、でも考えてみたらだれだって親がいるわけだから、みんな2世ですよね。じゃあサラリーマンの息子はサラリーマンになるのかというとそうじゃないし、輝けるかどうかは自分次第。父が桑田真澄だからといって輝けるわけじゃないし、僕は父とは違う道を選びましたが、そこで勝負することを貫いていきたいと思います」

デビューにあたってMattは、桑田氏に頼んだことがあるという。それは、桑田真澄のネームバリューを活かしてMattの売り込みをすることは絶対にやめてほしいということだ。

「自分の力で勝負したいから、父の力で営業することは絶対にやらないでほしいと伝えました。デビューするきっかけは、留学したときに初めてハロウィンを体験して、これは面白いと思って、仮装した画像をツイッターに投稿したことです。そうしたらリサーチ会社の人の目にとまって、TBSの有吉(弘行)さんの番組に出ることになりました。だからデビューするきっかけは父ではなくてメイクなんですよ。父が頭を下げてとってきた仕事だったら自由にできないし、そんなのきれいじゃない。クリーンな状態で自分らしくやっていきたいので」

自分がお父さんに似ていると思うか、と尋ねると、こんな答えが返ってきた。

「吹奏楽の団長になりたかったように、リーダー的な存在になってチームを引っ張っていきたいと考えるところは似ていると思います。学校でも女っぽいとか言われたけれど、いじめられたことはなかったし、そういうことを言う人たちに負ける気はしませんでした。自分のなかには結構強いものを持っていて、負けず嫌いなところも含めて、父に似ているかなと感じます」

話を聞きながら、人に何を言われようとわが道を貫く強さや、物事に真剣に打ち込む態度は、きっと父親譲りなんだろうな、と感じた。そう伝えると、Mattは「小学生の頃、野球は父と離れてやっていたんですが、フォームが似ていると言われたんですよ。真似しようと思ったことなんて一度もないのに」と、笑った。

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最終更新:10/14(月) 22:02
GQ JAPAN

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