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80億円の申告漏れで、追徴税40億円…税務調査「名義株」の罠

10/14(月) 10:00配信

幻冬舎ゴールドオンライン

相続税申告をした1/4で行われ、そのうち8割近くが追徴課税されるという税務調査。狙われやすいポイントは「名義株」にあります。本記事では名義株とは何なのか、なぜ税務調査でよく問われるのか、説明していきます。※本連載では、円満相続税理士法人の橘慶太税理士が、専門語ばかりで難解な相続を、図表や動画を用いてわかりやすく解説していきます。

税務調査のターゲットになりやすい「名義株」

2年ほど前、戸建て住宅分譲大手の飯田グループホールディングスの元会長(2013年死去)の遺族が東京国税局の税務調査を受け、約80億円の申告漏れを指摘されるというニュースがありました。相続税の追徴税額は過少申告加算税を含めて約40億円だといわれています。

遺族は元会長の不動産や預金などを相続財産として申告。しかし、飯田グループホールディングス株を保有する資産管理会社の株式の一部は、元会長の長男名義だとして申告しておらず、長男は取得資金を実質的には負担していなかったようです。

東京国税局は、この株式は元会長のものであり、遺族は相続財産として申告する必要があったと判断しました。つまり「長男の名義になっている株式は、名義は長男だけど、実質的には亡くなったお父さんの株式だから、相続税を40億円追徴課税します」と判断されたのです。

みなさんは、相続税の税務調査はどのくらいの確率で選ばれるかご存知でしょうか? 正解は、相続税申告の約4件に1件です。そして一度税務調査が行われると82%の人が追徴課税になっています。

筆者もこれまで相続税の税務調査にはたくさん立ち会ってきましたが、実は、税務調査に選ばれやすい人には共通点があるのです。それは「過去に会社を経営していた人」です。

会社の経営者は、圧倒的に高い確率で税務調査が行われます。そして、その時に必ず問題になるのが、「名義株」というものです。事業承継やM&Aに携わる方は、必ず知っておくべきですので、本記事では名義株式について解説していきます。

まず、会社の株式にも相続税はかかります。それも業績の良い会社であればあるほど、株価は高くなりますので、その分、相続税も高くなります。そうすると多くの経営者が、この税金をなんとかしたいと考え、次のようなことを考えます。

「自分の名義の株式だと相続税がかかってしまう。それであれば初めから家族の名義にしてしまえば相続税はかからないじゃない」

ここまではいいのですが、その次に何を考えるかというと、

会社の株式を譲るということは、会社を経営する権利を譲るのと同じ意味を持ちます。ですから、「相続税は少なくしたいけど、会社を経営する権利は渡したくない」というジレンマが発生します。そのジレンマを解消するために、次の考えに至ります。

株式の名義だけを親族などに書き換えて、実際には経営に口出しをさせないようにする。そうして将来発生する相続税を少なくし、会社の経営権は自分で維持しようとします。そして最後に、次のようなやり取りのもと、株式の名義を親族に変えてしまいます。

もし、この状態のまま社長が亡くなってしまった場合、どのような問題が起こるでしょうか? 妻や子供名義になっている株式にも、社長の財産として相続税が課税されてしまうのです。

ではなぜ、妻や子供名義の株式にまで相続税が課税されてしまうのでしょうか。考えるべきなのは、「この妻や子供名義の株式は、果たして誰のものなのか」ということです。名義のとおり、妻や子供のものでしょうか? 

違います。この株式の真実の所有者は、社長のままなのです。名義は妻や子供であっても、真実の所有者は社長から変わっていないのです。相続税が課税される財産は、名義が誰であるかは関係ありません。相続税は、真実の所有者に課税されるのです。

想像してください。あなたが小学生のころ、隣の席に座っている友達のノートがどうしても欲しかったとします。どうしても欲しかったので、その友達の名前を消して、自分の名前を上から書いたとします。

果たして、このノートは名前を書いた人のものになったでしょうか? そんなはずはありませんよね。名前は変わっても本当の持ち主は変わっていません。この「名義は変わっていても、本当の所有者は変わっていない」という現象が、非常に多くの株式に起こっているのです。

名義人と本当の所有者が異なっている株式のことを「名義株」といいます。ほかの人の名前の株式でも、実質的には亡くなった人の株式と認定された場合には、相続税の対象になってしまい、多額の追徴課税を要求されます。そしてこのケース!非常に多いのです。

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最終更新:10/14(月) 10:00
幻冬舎ゴールドオンライン

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