ここから本文です

「ジャパンは強くなった」ラグビー日本代表が強豪を破るまでの軌跡

10/15(火) 7:01配信

FRIDAY

直前の大敗を経て

ジャパン、白星発進。ワールドカップ日本大会、20日の金曜夜、ロシアとの開幕戦は、きっと、いや、必ずそうなる。と、結果を知る前に書き始められるのが、長くラグビーを追ってきた身にはうれしい。

松島のトライ、姫野の笑顔、福岡の抱擁… ラグビーW杯ベストショット集

1987年の第1回大会から振り返って「ジャパンがはっきり有利」と開幕前に断定できる試合はこれが初めてだ。過去、米国やカナダには「やや優勢か」の見立ても場合によっては許されたが、まずは互角の範疇だった。’91年、大会最多9トライで完勝(52対8)のジンバブエさえ対戦前の国際的な評価では同格であった。

ジャパンは強くなった。

9月6日。優勝候補の南アフリカ代表スプリングボクスと本大会前の「最終リハーサル」で対戦、7対41の大敗を喫した。

体をぶつけるコンタクトで劣勢。ジャパンの身上の短いパスで崩す攻撃もディフェンスの壁に穴を開けられず、重いタックルが地面と平行に降り注ぐので、圧力を避ける心理はついふくらみ、やがて逃げるような長いパスが増えた。本番に備え「手の内を隠す」必要もあって攻め込んで仕留めきれず、小さなミスでインゴールを明け渡した。

世界のトップ級とは力の差がある。半分は正しい。しかし、あとの半分はこうだ。世界のトップ級との力の差は縮まった。

こんなにうまく運ばなかったジャパンが、ベストの布陣で気迫をたたえたスプリングボクスとこれくらいは戦える。

南アフリカを率いる知将、ラッシー・エラスマスHC(ヘッドコーチ)の勝利後の一言は外交辞令でなく本心に聞こえた。

「スコアボードは実力を表していない」

同感だ。ジャパンの出来が悪かったので、かえって「強くなったなあ」と思えた。

ジャパンのジェイミー・ジョセフHCのコメントも強がりではあるまい。「本当にいい準備となった」。残り7分まで7対27とゲームは壊れていない。勝って反省を理想とするなら、不出来にも崩れなかった敗北は「修正可能ランク」の次点かもしれない。

ジャパンは強くなった。しかしワールドカップは甘くない。でもジャパンは強くなった。予想を聞かれるたび、この順番を繰り返してきた。他にうまく表現できない。

ジェイミー・ジョセフ体制の戦績は順調である。3年前、敵地でウェールズに惜敗(30対33)。2年前、アウェーでフランスと引き分けた(23対23)。昨年11月はロンドンのトゥイッケナム競技場でイングランドと対戦、15対10と前半をリードした(15対35)。本年もフィジー、トンガに文句なしの快勝(34対21、41対7)を遂げている。フェアな観点で歴代最強と評価できる。ただし、その分、大会突入後の「大化け」の余地はあまりない。

1/2ページ

最終更新:11/15(金) 12:35
FRIDAY

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事