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働き方改革といっても…「風邪を引いても会社を休まない」人は6割超

10/15(火) 6:32配信

@DIME

感染症治療の切り札といわれる抗菌薬。しかし、その切り札さえも効かない薬剤耐性(AMR)の問題が世界中で深刻化している。

薬剤耐性(AMR)の問題は、抗菌薬・抗生物質の不適切な使用が一因とされているため、一人ひとりが正しい知識を持つことも大切だ。

そこでこのほど、AMR臨床リファレンスセンターでは、抗菌薬・抗生物質の知識や理解を深めるべく、一般の688人を対象に「抗菌薬・抗生物質に関する意識調査」が実施された。※グラフありの元記事は下記同タイトルをクリックすることで見ることができます

その結果、日本人の抗菌薬・抗生物質や薬剤耐性への知識が不十分であること、また、かぜの症状があっても 学校や職場を休めないなど、感染予防に関する意識や健康教育が社会に十分浸透していない実情が浮かびあがってきた。

Q1.抗菌薬・抗生物質という言葉を聞いたことがあるか?


「聞いたことがあり、詳しく知っている」と答えた人は35.5%であり、「聞いたことはあるが詳しくはわからない」と答えた人60.2%を合わせると、回答した人の約96%が抗菌薬・抗生物質という言葉を聞いたことがあった。

Q2.抗菌薬・抗生物質についてあなたがあてはまると思うものはどれか?
■Q2-1 抗菌薬・抗生物質はウイルスをやっつける



「抗菌薬・抗生物質はウイルスをやっつける」に対して、「あてはまらない」と正しく回答した人は23.1%、「あてはまる」と回答した間違った認識を持っている人は64.0%であった。



ヨーロッパで行われている世論調査の結果と比較すると、EU28ヵ国では「抗菌薬・抗生物質はウイルスをやっつける」に対して、「あてはまらない」と正しく回答した人は43.0%であり、日本よりも正しく回答する人の割合が高かった。また、日本は最も正解率の低いギリシア(正解率23%)と同程度の正解率であった。

■Q2-2 抗菌薬・抗生物質はかぜに効果がある



「抗菌薬・抗生物質はかぜに効果がある」に対して、「あてはまらない」と正しく回答した人は35.1%、「あてはまる」と回答した「抗菌薬・抗生物質はかぜに効果がある」と誤った認識を持っている人は45.6%であった。



ヨーロッパの世論調査では、EU28ヵ国では66%の人が「抗菌薬・抗生物質はウイルスをやっつける」に対して「あてはまらない」と正しく回答しており、日本よりも正しい知識を持つ人の割合が高い。さらに日本は、正解率の最も低いポルトガル(正解率37%)よりも正解率が低かった。

■Q2-3 抗菌薬・抗生物質を不必要に使っていると効果が薄れてしまう



「抗菌薬・抗生物質を不必要に使っていると効果が薄れてしまう」に対して、「あてはまる」と正しく回答した人は67.3%、「あてはまらない」と間違った認識を持っている人は11.6%であった。

■Q2-4 処方された抗菌薬・抗生物質はすべて飲み切る必要がある



「処方された抗菌薬・抗生物質はすべて飲み切る必要がある」に対して、「あてはまる」と正しく回答した人は63.4%、「あてはまらない」と間違った認識を持っている人は17.8%であった。

■Q2-5 抗菌薬・抗生物質を飲むと下痢などの副作用がしばしばおきる



「抗菌薬・抗生物質を飲むと下痢などの副作用がしばしおきる」に対して、「あてはまる」と正しく回答した人は54.1%、「あてはまらない」と間違った認識を持っている人は12.3%であった。また「わからない」と回答した人は33.6%いた。

Q3.過去1年間にかぜをひいて医療機関を受診したか?


回答者中40%の人が、過去1年間にかぜをひいて医療機関を受診していた。

Q4.直近でかぜで医療機関を受診したときにどんな薬が処方されたか?


実際に処方された薬は「咳止め」が1番多く、次いで「解熱剤」、3番目が「抗菌薬・抗生物質」(52.5%)となった。



Q5.今後かぜで医療機関を受診した場合にどんな薬を処方してほしいか?


一方、今後かぜの時に処方してほしい薬としては「咳止め」が1番多く、次いで「解熱剤」「鼻水を抑える薬」であった。「抗菌薬・抗生物質」は4番目であり31.7%の人が処方を希望した。

Q6.今朝起きたら、だるくて鼻水、咳、のどの痛みがあり、熱を測ったら37℃だった。あなたは学校や職場を休むか?


今朝、かぜをひいたと想定したときに「休む」人は37.1%であったのに対し、「休みたいが休めない」人は38.5%、 「休まない」人は24.4%であった。合わせると「休まない」人は約63%に達した。

Q7.薬剤耐性、薬剤耐性菌という言葉を聞いたことあるか?


薬剤耐性、薬剤耐性菌という言葉を「聞いたことはある」が49.6%、「聞いたことはない」が50.4%であった。

Q8.薬剤耐性、薬剤耐性菌についてあてはまると思うものはどれか?


「薬剤耐性とは病気の原因となる細菌が変化して抗菌薬・抗生物質が効きにくくなることである」と正しく回答した人は約80%であった。

一方で、「病気になる人の体質が変化して抗菌薬・抗生物質が効きにくくなる」と誤った回答をした人も44.3%存在した。

AMR臨床リファレンスセンターの考察
■「抗菌薬・抗生物質はウイルスをやっつける」に「あてはまらない」と正しく回答した人は23.1%、「抗菌薬・抗生物質はかぜに効果がある」に「あてはまらない」と正しく回答した人は35.1%にとどまった。

日本では抗菌薬・抗生物質に関して正しい知識を持っている人の割合が低いことが明らかとなった。同様の調査が行われているヨーロッパ諸国と比較しても正しい知識を持っている人の割合がかなり低い。

■一方で、不必要に使っていると効果が薄れてしまう、処方されたらすべて飲み切る必要があるなど抗菌薬・抗生物質の飲み方に関する知識は半数以上の人が持っていることが分かった。

■かぜで受診したときに、症状を抑える薬を希望する人が多い一方で、抗菌薬・抗生物質も上位に入っており、抗菌薬・抗生物質を症状を抑える薬と誤解している人がいる可能性がある。

実際に処方された薬の中にも抗菌薬・抗生物質が上位に入っており、誤った処方が少なくないことや、それが誤解を強化している可能性が示唆される。

■抗菌薬・抗生物質はかぜには効果がないということを一人ひとりが理解することが必要である。

■かぜをひいたときに仕事や学校を「休む」と答えた人は37.1%であり、「休まない」と答えた人は約63%であった。

その中でも「休みたいが休めない」人が全体の4割近くを占めた。「働き方改革」が導入されたとはいえ、休みたくても休めない実情がうかがわれた。

かぜを早く治し、感染拡大を防ぐためには休むことが必要であるが、そのような健康や病気に関する意識が日本の社会には十分浸透していないことも背景にあると考えられる。

■薬剤耐性、薬剤耐性菌という言葉を「聞いたことはある」人は約半分であり、聞いたことがあっても正確に理解していない人が一定数いることがうかがわれた。今後も継続して、一般市民に向けた啓発活動を続けていく必要がある。

<調査概要>
・集計期間:2019年8月
・調査方法:インターネット
・調査対象:10代~60歳以上の男女
・調査人数:全国688名
男性10代28名、20代62名、30代63名、40名61名、50代61名、60歳以上62名
女性10代53名、20代60名、30代61名、40名56名、50代59名、60歳以上62名

出典元:国立国際医療研究センター病院 AMR臨床リファレンスセンター

構成/こじへい

@DIME

最終更新:10/15(火) 6:32
@DIME

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