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<川栄李奈>AKB48卒業後、急激に開花させた女優としての才能<ザテレビジョンシネマ部>

10/15(火) 18:00配信

ザテレビジョン

NHK朝の連続テレビ小説「とと姉ちゃん(2016)」の富江役やCM「au 三太郎シリーズ」の織姫役など、いわゆる“ヒロインの親友キャラ”で、お茶の間に女優としての顔が浸透していった川栄李奈。「どの現場でも役を固めず、現場にいる共演者との空気で感じ取ったもので芝居する」と語る彼女の動物的感性と、名バイプレイヤー光石研を目指しているほどの器用さを併せもち、今や引っ張りダコの女優である川栄は、AKB48時代、バラエティ番組「めちゃ×2イケてるッ!」の学力テスト企画で最下位となり、「ウソだろうが‼」と逆ギレしていたおバカキャラの彼女と同一人物とは思えないほどだ。

【写真を見る】頭巾姿が可愛い!初主演映画で川栄李奈が演じた“リケジョ”

そんな彼女が満を持して映画初主演を務めたのが、瀬木直貴監督の『恋のしずく(2018)』(10月24日夜7:00 WOWOWシネマ ほか)。日本三大銘醸地のひとつとして知られる広島県東広島市の西条を舞台にした本作で、彼女が演じたのは大学で醸造学を学びワイン・ソムリエを目指す“リケジョ”の詩織。単位取得に必要な実習先が苦手な日本酒の酒蔵に決まり、嫌々西条にやってきた彼女と、やる気のない蔵元の息子や厳格な杜氏など、どこか一筋縄ではいかない町の人々との交流が描かれる。

当初は「あまりに普通のキャラすぎて、最初はどう演じていいか、よく分からなかった」と不安を隠し切れなかった川栄だが、その“普通さ”はこれまで映画やドラマ、CMなどで演じてきた、親しみを感じさせる親友キャラの延長線上ともいえ、ゼロの状態から酒造りを学んでいく詩織の姿には、誰もが共感を覚えるはずだ。そんな見知らぬ地で不安を抱える詩織を優しく見守り、指南する蔵元を演じているのが、今は亡き大杉漣。俳優の先輩後輩としての2人の関係性が、劇中で各々が演じるキャラクターとシンクロしていくのも、深い味わいを醸し出している。

名曲をモチーフにしたヒューマンドラマ『Watch with Me -卒業写真-(2007)』や、大分県宇佐市のご当地映画である『カラアゲ★USA(2014)』などを手掛けてきた瀬木直貴監督は、ヒロインの成長と恋、その地方の美しい風景や現状といった両作のテイストを巧く調合しながら、持ち前の丁寧な演出により、女優・川栄李奈の魅力を存分に引き出している。

今年5月、2018年に出演の舞台「カレフォン」で共演した廣瀬智紀との結婚及び妊娠を発表。「30歳ぐらいに、自分の代表作といえる作品に出会いたい」と語っている彼女だが、間違いなく彼女にとっての転機作となった『恋のしずく』は、今後その礎となっていく一作といえるだろう。

■ 文=くれい響

1971年生まれ。TV番組制作、『映画秘宝』編集部を経て、映画評論家に。雑誌、ウェブ、劇場パンフレットなどに映画評やインタビュー記事を寄稿。(ザテレビジョン)

最終更新:11/6(水) 17:34
ザテレビジョン

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