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退職代行会社から突然の電話!姿を見せずに辞める社員は「違法」か

10/15(火) 6:01配信

ダイヤモンド・オンライン

 あるIT企業の総務部長は、突然かかってきた電話をとって耳を疑った。それは退職代行会社からの連絡で、同社で働く2人のエンジニアに代わり、彼らの退職希望を会社に伝える内容だった。途方に暮れた総務部長は事態収拾に動いたが……。(社会保険労務士 木村政美)

<甲社概要>
 従業員数100名のIT企業。業務受注量が増加する一方、新規社員や退職社員の補充ができず、社員は長時間残業や休日出勤を強いられている。
<登場人物>
A:24歳。大学卒業後入社2年目のエンジニア。
B:28歳。エンジニア。Aの先輩で同じチームに所属。Aの入社時に指導係を務め、仲が良い。
C:32歳。A、B他メンバー8人が所属するチームのトップ。
D:Aの大学時代の友人。
E:総務部長。45歳。
F:甲社の顧問社労士。
 「急な話ですが、当チームは現在開発中のプロジェクトに加え、今日から新たなプロジェクトも担当することになりました」

 「えーっ……」

 9月中旬の月曜日。朝礼でのCチーム長の発言に、一同は絶句した。自席に戻ったBは、顔を紅潮させ怒りを露わにした。

 「今でさえ毎日夜の11時を過ぎないと帰れないのに、新たなプロジェクトもやれってか!」

● この忙しいときに会社を 辞めたいなんて、バカか!

 隣にいたAもウンザリした顔で答えた。

 「今日から毎日徹夜かも。俺、そのうちに倒れちゃいますよ」

 先月退職した3名の補充ができないのに、新規の仕事を受注する会社のやり方には全員が辟易していた。

 それから1週間後のこと。AとBは新プロジェクトの業務分担について打ち合わせをしていた。ひと段落したとき、BがAに顔を近づけ小声で囁いた。

 「実は10月いっぱいで会社を辞めようと思う」

 「えっ?」

 Aは驚き、とっさに質問した。

 「辞めた後はどうするんですか?」

 「乙社に転職する。社長とは以前からの知り合いで『俺の会社来いよ』と誘われたんだ」

 「それで、Cチーム長には話したんですか?」

 「ああ。昨日『10月末で退職したい』と言ったら、『この忙しいときにバカか!』ってキレられた」

 「そうなんですか……」

 Aは強いショックを受けた。仕事が多忙でも頼りがいのあるBが一緒にいたから続けることができた。しかしBが退職したら、ますます仕事の負担が増えるし、第一やる気が出ない。Aは悩んだ。

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最終更新:10/15(火) 6:01
ダイヤモンド・オンライン

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