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「ざんねんないきもの」シリーズ大ヒット、「高橋書店」創業家父子のドロ沼訴訟合戦

10/15(火) 5:57配信

デイリー新潮

『ざんねんないきもの事典』シリーズが大ヒットし、“手帳は高橋”のキャッチフレーズでも知られる高橋書店は、今年で創業80周年となる。だが、そんな節目の年に、社内はドロ沼のお家騒動で大揺れ。創業者の血を引く父子が訴訟合戦を繰り広げているのだ。

 高橋書店の現在の社長は、創業2代目の高橋秀雄氏。

 手帳や日記の販売に力を注いで会社を大きくした中興の祖とも言える人物だが、この秀雄氏と長男の政秀氏が、今年2月から会社の経営権を巡る様々な訴訟をぶつけ合っているという。

 一体、なぜ父子は争うことになったのか。まずは父の秀雄氏に訊いてみた。

「息子は、私が昨年9月の役員会で“今後は世襲をやめて、実力のある人間を次期社長にする”と発言したことがおそらく気にくわなかったのでしょう。このままでは社長になれないと考えて、高橋書店の関連会社である高橋HDの代表取締役の座を奪おうと訴訟をしかけ、無理やり株主総会を開いてその座を手中にしたのです」

 なるほど、父にしてみれば、息子からいきなり喧嘩を売られたというわけだ。

 秀雄氏は、政秀氏の代表取締役就任は無効だとして訴訟を起こし、今なお争っているのだが、

「もちろん、私も最初は息子に会社を継いでほしいと思っていました。販売や総務、流通センターといったいろんな部署を経験させましたが、ことごとく成果を出せずに失敗を繰り返した。さらに会社が息子について上申書を募ったところ、ほとんどの社員から“政秀さんを社長にさせないでほしい”という切実な声があがってきた。社長の息子だということをカサに着て、横柄な態度をとることもあったそうです。薄々は気づいていましたけれど、ここまで人望がないとは思いませんでしたよ」(同)

 反乱を企てた子息について調べてみれば、やはり世継ぎ失格と判断するほかなかった、との主張である。

社員が大量退社? 

 そこで、息子の政秀氏にも言い分を尋ねてみると、

「まったく違います。私は、これまでの父の経営手腕を認めてきたし、世襲ではなく実力のある人間が次期社長になることについても異論などありません」

 と、父親の主張を全否定。

「私が裁判を起こしたのは、裸の王様になってしまった父に目を覚ましてほしいからです。2005年に母が亡くなると、父はほどなく中国人女性と付き合い始めました。母の七回忌が済み、私たちに知らせることなくその女性と再婚したのですが、その頃からおかしくなってしまった。まわりをイエスマンだけで固める独善的な人事をするようになり、あげくの果てにその中国人女性を法律上の手続きも経ず役員に迎え入れ、社員より彼女の意見ばかり聞くようになってしまいました」

 また、社内で募ったという上申書についても、

「父が集めた書面には、私のことを批難する定型文があらかじめ書かれていました。みな、社長に逆らったら何をされるか分からないわけで、多くの人は無言でサインしてしまったはず。それよりも、経営に口出しまでするようになった中国人女性に嫌気がさして、大勢の社員が一挙に退社したことのほうがむしろ問題ではないでしょうか」

 次から次へと父への苦言が湧き出てくるが、高橋書店の専務によれば、

「たしかに、業績が不調で賞与が出ず、待遇面の不満から普段より多くの社員が辞めた年もございました。ただし、それは役員人事とは無関係です。上申書の件ですが、そこには自由記述の欄があり、相当数の社員が(政秀氏に対する)批判を記しておりました」

 父子の間では目下、株主総会の是非や職務を停止するしないを争う訴訟が計5件も係属中。高橋書店製の手帳にも書ききれないほど裁判日程が目白押しである。

「週刊新潮」2019年10月10日号 掲載

新潮社

最終更新:10/15(火) 5:57
デイリー新潮

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