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次は 中所得者 を狙う、Amazon の「食料品店」計画:「チャンスがある分野」

10/16(水) 11:51配信

DIGIDAY[日本版]

Amazonの食料品店が出現しそうだ。それは、新たなホール・フーズ(Whole Foods)のようなものではない。

ウォールストリート・ ジャーナル(The Wall Street Journal:以下、WSJ)は10月初旬、Amazonが実店舗の食料品店チェーンの展開を計画しているとされる件について報じた。記事によると、Amazonは、ロサンゼルスにある食料品小売りスペースについて複数のリース契約を結び、数カ月以内にオープンする店舗もあるかもしれないという。さらに、Amazonは、カリフォルニア州外の都市にも目を向けている。

店舗について具体的な詳細はほとんどわかっていない。ただ、Amazonが所有するホール・フーズとはまったく異なるが、食料品店に分類される模様だ。WSJは、新しい立地は、食料品店を訪れる平均的な米国人買い物客をターゲットにし、ホール・フーズよりも安価な選択肢を探していそうな中所得の消費者向け商品を扱うと付け加えている。ターゲットのこうした拡大は、Amazonが、新たな市場を支配すると同時に、新しい別の顧客を呼び込もうとしていることを示している。

Amazonにコメントを求めたが、本記事の掲載時までに回答はなかった。

Amazonの必勝アプローチ

食料品分野を検討している理由から、Amazonの小売りに対する全体的なアプローチと、ライバルと見なしている相手が窺える。Amazonは、食料品以外の商品のオンライン販売を支配してきたが、まだこの市場には完全に参入していない。同社はこの分野への進出にゆっくりと歩みを進め、実店舗型小売りへの野心も匂わせてきた。そのあいだに、ライバルは注意を払い、時代遅れになるのを避けるために防衛戦略を考え出しはじめた。状況のこうした進展は、新たな戦争がすでにはじまっていることを示している。

従来、食料品は、Amazonから逃れてきた分野のひとつだった。Amazonは、小売企業のビジネスモデルを変える帝国を密かに築くことで、オンラインでの存在感を高めてきた。Amazonの支配の結果、ライバルは適応か廃業かのどちらかを迫られてきた。だが、Amazonは食品以外の分野では傑出したリーディングカンパニーになったものの、企業が乱立する食料品業界への参入ペースは遅かった。2019年第2四半期には、Amazonの実店舗の売上高(ホール・フーズやAmazon Goを含むが、実店舗でピックアップされたオンライン購入は含まない)は、43億ドル(約4660億円)に達した。一方、ガートナーL2(Gartner L2)のデータを見ると、インスタカート(Instacart)は、Amazonやホール・フーズと比べてもっと速いペースで、米国内での配達範囲を広げてきた。

こうした動向は、「チャンスがある分野やもともと弱点だった分野をターゲットにしていることを物語っている」と、ガートナーL2のシニアプリンシパル、オウェシ・カージー氏はいう。

ホール・フーズの買収は最大の成功だったが、Amazonは、アルコール飲料の配達のようなほかの分野にも慎重に参入してきた。Amazonフレッシュ(AmazonFresh)の配達ネットワークも徐々に拡大し、8月には、配達サービスを提供する新たな3都市を発表したばかりだ。Amazonが食料品で、それも特に実店舗で成功するには、ライバルに匹敵する店舗の構築だけでなく、際立つ何かが必要だろう。

「(Amazonには)顧客のロイヤルティやエンゲージメントを伸ばす特別な力があると思う」と、シンフォニー・リテール AI(Symphony RetailAI)の最高マーケティング責任者、ケビン・スターネッカート氏は語る。「逆に、食料品業界はこれまで、顧客に合わせた個人的なインタラクションに苦闘してきた」。

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最終更新:10/16(水) 11:51
DIGIDAY[日本版]

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