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ドラフト超目玉 明大・森下「捕手が語る“急成長の意外な理由”」

10/16(水) 11:01配信

FRIDAY

「身長も体重も高校時代とさほど変わらないハズですが、マウンドでの立ち姿は2回りも大きくなったように感じます。仁王像のような凄まじい表情で睨みつけられると、恐怖心さえ覚える。東海大・菅野智之(現・巨人)の球を受けて以来の衝撃です」

【画像】桑子真帆、水ト麻美、三田友梨佳ほか「女子アナドラフト会議」

こう話すのは250人以上のドラフト候補投手の球を受けてきた、“流しのブルペンキャッチャー”安倍昌彦氏(64)だ。

安倍氏が「恐怖を覚えた」と語るのは、明治大の森下暢仁(まさと)である。10月17日に迫ったプロ野球ドラフト会議で、佐々木朗希(岩手・大船渡高)、奥川恭伸(石川・星稜高)とともに注目される超目玉投手だ。ヤクルト、西武など最大5球団から指名される可能性がある。だが、そんな怪物も大学3年の秋まではさほど目立つ投手ではなかったという。以下は実際にボールを受けた安倍氏が語る、森下の成長記録だ――。

◆明大監督が与えた“重責”で覚醒

森下のボールを最初に受けたのは、彼が高校3年生(大分商業)のときです。50球ほど受けましたが、正直「投球が幼い」と感じました。確かにストレートは140km台と速いのですが、力任せに投げている。力みから、ほとんどの球はシュート回転し制球が定まっていないんです。身体の線も細く性格もマジメすぎる。中には注目するスカウトもいたようですが、ボクの感想は「プロとしては厳しいだろうな」でした。

明大に入学してからも、森下の欠点は解消されません。せっかく素晴らしい速球を持っているのに、余裕がない。力んで、勝てる試合を落としてしまことがたびたびありました。何とか森下を成長させられないかと悩み、善波達也監督ら明大首脳陣が思いついたアイディアが主将を任せることです。一人よがりにならず、周囲を見る目を持ってほしいと考えたのでしょう。首脳陣の一人は「重責に耐えられず森下がギブアップするか、プラスに出るかカケでした」と話していました。

結果は吉と出ます。当初は森下も「オレに伝統校の主将など務まるのか」と、相当悩んだようです。しかし自分の投球だけ考えていても、チームメイトはついてこない。森下は変わります。試合中も、他の選手によく声をかけるようになったんです。しかも「前に出て捕球しないとダメだろ!」「もっと声を出せ!」という厳しい言葉を。高校時代には考えられなかった目配りです。

投球内容もガラリと変わりました。それまではすべての球を全力で投げている印象でしたが、状況によって2~3割力を抜いて投げられるようになったんです。主将として、「常に周囲を見なければ」と意識するようになった影響でしょう。結果が出るにしたがって、マウンドでの態度にも余裕が出てきました。

私は今年3月にも、森下のボールを20球ほど受けています。高校時代とはまるで印象が違いましたね。7割ほどの力感からでも、破壊力バツグンの速球が投げ込まれる。捕球してもミットが押し込まれ、衝撃で手の骨に痛みを感じるほどでした。

森下が先発した10月5日の法政大戦を観戦しましたが、成長の跡を実感しました。0対2の劣勢で、8回に満塁の好機で打席に立ち凡退。昨年までなら悔しさから投球を乱していたでしょうが、9回は150km近い速球で簡単に3人で抑えた。まったく動じることがありません。自らカラを破った森下なら、間違いなくプロでも即戦力として活躍できるでしょう。巨人・菅野のような、スケールの大きい大エースになるハズです。

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安倍昌彦(あべ・まさひこ) ‘55年、宮崎県生まれ。早稲田大野球部出身で早大高等学院の監督も務めた。雑誌の企画をキッカケに、’00年から“流しのブルペンキャッチャー”として250人以上のドラフト候補投手のボールを受けてきた。著書に『スカウト魂』(日刊スポーツ新聞社)、『流しのブルペンキャッチャーの旅』(白夜書房)など。

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最終更新:10/16(水) 11:01
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