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ベトナムでは公開後4日で上映中止に。『第三夫人と髪飾り』のアッシュ・メイフェア監督が伝えたかったこと

10/16(水) 7:30配信

家庭画報.com

社会の中で女性に期待される役割に焦点を当て、映画で探求

スパイク・リー監督が脚本を激賞して制作資金を援助し、トラン・アン・ユン監督が美術監修を担うなど、巨匠たちが大きな期待を寄せるアッシュ・メイフェア監督。5年の歳月をかけて、長編デビュー作『第三夫人と髪飾り』を完成させました。

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物語のベースになっているのは、メイフェア監督の曽祖母の体験。メイフェア監督の曽祖母は、「14歳で家族が決めた相手と、一夫多妻結婚をしました」。14歳でベトナムを出るまで、曽祖母、祖母、母と一緒に暮らしていたメイフェア監督は、そういった曽祖母の話を幼い頃から聞いていたといい、「社会の中で女性に期待される役割に焦点を当てることは、常に私が映画で探求したいと思っていることでした」と話します。

「今回の映画では、自分の家族の状況を使いましたが、感情の部分では私自身が経験してきたことが含まれています。私は長女だったので、母には“早く男の子を”という周りからの圧力がすごくかかっていました。

また、親戚の集まりがあると、女性はみんな台所にいて、男の人たちは何もしないで座っていて。私が小さい頃に、おじいさんの隣の席に座ったことがあったんです。そうしたら、“ここは女の子が座る席じゃないんだから、向こうに行きなさい”って。

これは多くあるエピソードの一つですけれども、こういったことからもわかるように、女の子って平等に扱われないんだなと思ったんです」

クランクイン前の数か月間、映画の舞台となった土地で生活

ニューヨーク大学在学中に、「小説として発表しようと思ってリサーチしていた」という本作。

それが映画という形になったのは、「映像、イメージは文化の壁を越えて人の感情を動かすことができる、より強力なメディアだなと思ったんです」。

そして、「これを映画にしなさい、脚本にしなさい」と教授に背中を押され、脚本を執筆。そこから完成までには5年の歳月を費やすことになりますが、そのうちの数か月間をメイフェア監督は映画の舞台となる土地で生活することに。

「山あいの小さな村は、ペースがとてもゆっくりしていて、非常に自然と近くて。日の出とともに起きて日の入りとともに寝るという生活をしていて、静けさをすごく意識しましたし、時が広がっていくような感じがしました。

もともとの脚本は長かったんですね。でも、その村の生活を経験して、かなりセリフが削られて短い脚本になりました。あまり言葉はいらないなと感じたんです。それは、何か月も村で生活をした成果だったと思います」

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最終更新:10/16(水) 7:30
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