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結婚できたのは「愛する勇気」のおかげ【小林麻耶さん×岸見一郎さん対談】

10/16(水) 18:30配信

webマガジン mi-mollet

タレントの小林麻耶さんが、読者の方と「ほっとできる時間」を共有したい、そんな気持ちでお送りする連載です。

小林麻耶 フォトギャラリー

今回は、著書『嫌われる勇気』がベストセラーになったアドラー心理学の第一人者で哲学者の岸見一郎さんとの対談です。
小林さんもこの著書の大ファン。これまで何度か対談されている仲だそうですが、この度約3年ぶりに岸見さんとの再会が実現しました。

小林さんからは結婚の報告、岸見さんからはこの3年間、苦悩する小林さんを見ながら伝えたいと思っていたことなど、胸の内を語り尽くした、その内容とは?
 

  岸見一郎 1956年、京都生まれ。京都大学大学院文学研究科博士課程満期退学(西洋哲学史専攻)。著書に『嫌われる勇気』『幸せになる勇気』(古賀史健と共著、ダイヤモンド社)、『人生を変える勇気』(中央公論新社)『よく生きるために働くということ』(KKベストセラーズ)など多数。公式ツイッター:@kishimi 公式インスタグラム:@kishimi 公式HP:https://kishimi.com/
 

アドラーの言う“愛する勇気”を持ち、結婚しました!

小林 今日は久しぶりにお会いできて、嬉しいです。先生と最後にお会いしたのは2016年でしたよね。3年ぶりですね。その間、いろいろなことがありまして、去年の7月に結婚をしました。

岸見 おめでとうございます。

小林 私もアドラーの言う“愛する勇気”を持ち、夫と人生を共に歩むことを決めました。

岸見 本に書いてある通り、実践されたわけですね(笑)。

小林 先生が書かれた本を読ませていただいたとき、“私たちという共同体”という考え方が衝撃だったんです。私でもアナタでもなく“私たち”という二人の人生を歩む、それは未知数であるからこそ面白いなと思いましたし、そこには“私”以上の世界があるんだとこの本から知って、何て魅力的なんだろうとも思ったんです。そんな考えは、学校でもどこでも教えてもらったことはなかったので、印象的だったんです。

岸見 アドラーは他者を仲間だと見なし、そこに自分の居場所があると感じられることを“共同体感覚”と言っています。そして共同体感覚は、幸福な対人関係のあり方を考えるうえで、もっとも重要な指標です。

小林 それまでは結婚すると自由が奪われてしまうのではないかとか、自分は結婚には向いていないのではないかとか、そういうマイナスのことばかり考えていたんです。それが“共同体”という考えを知ってからは、楽しそう、挑戦してみたいな、という気持ちに変わりました。
だからといってそれがすぐに実行できるかというと、難しいのが人生で……。なかなか取り組むことはできなかったんですが、そういう世界があると知れたことは私の中で大きかったです。
でも、このミモレの連載でも書かせていただいたんですが、少しずつ脳内断捨離をして、結婚へのマイナスな思考とか、必要のない考えとか捨てていって、フラットになれたときに夫と出会うことができたんです。

岸見 対人関係は本当に難しい。アドラーも「あらゆる悩みは対人関係の悩みである」と言い切っています。人と関われば、何らかの形で摩擦が生じます。嫌なことを言われたり、憎まれたり裏切られたりするかもしれない。総じて言うと、人と関われば傷つく経験を完全に避けることはできない、ということです。
そのため、傷つくことを恐れて対人関係の中に踏み込まないでおこうとする人もいます。大人であれば、対人関係を恐れて恋愛を避けたり、子供であれば学校に行かなくなったりします。そういう意味では、対人関係は不幸の源泉。他方、生きる喜びや幸福もまた対人関係の中でしか得られないのです。

小林 分かっていても、なかなか思い切って踏み込めないです。

岸見 人との関わりの中で初めて「生きていて良かった」という経験をすると、思い切れるのですけどね。でも若い人たちは、どうしても結婚の煩わしさとか大変さとか、そちらのほうばかりが頭に浮かぶのです。そして「一人で気ままに生きているほうがいい」、「人と付き合って傷つくぐらいなら、無理して大変な対人関係に入っていかなくていいのではないか」と考えるようになる。現代は、そういう人があまりに多いです。そのハードルはあまりに高いのですが、超えると人生は明らかに変わります。

小林 変わります、本当に。

 岸見 そういう意味では、結婚はゴールではない。結婚したから幸せになれるわけではなくて、これから幸せになる努力をしていかないといけません。努力の過程こそが幸せだ、と言っていいと思うのです。
努力もまた楽しみに思えなかったら、人は結婚する勇気を持つことはできないでしょうね。小林さんもその決心ができたから、結婚という暴挙に踏み込まれたんだと思います。

小林 暴挙ですか!(笑)
 

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最終更新:10/16(水) 18:30
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