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関西の不動産業者が「違法物件」を売る「車庫転」という裏ワザ

10/16(水) 12:00配信

幻冬舎ゴールドオンライン

昨今、アパマンショップの爆発事故、かぼちゃの馬車事件をはじめ「不動産業界」の闇が明らかになってきています。巷には、サラリーマンを不動産投資に誘う文句が溢れていますが、まずは業況を知っておきましょう。本記事では、収益不動産を通じ、購入から運用・売却まで一貫した資産形成をサポートしている大和財託株式会社の代表・藤原正明氏が、不動産市場の実態を紹介します。

「違法物件」は関西にひしめいている

高利回りの物件が多い地方といえども、実際に安定的・長期的に収益を生む物件を探すことは容易ではありません。一見利回りが高くても、入居付けが難しいエリアであれば空室率が高くなり、収益力が大きく下がってしまいます。

一方で地方には、首都圏在住の投資家の方では考えられないような高利回り物件が数多く眠っているのも事実です。例えば関西の物件をポータルサイトでチェックすると、利回りが一般相場よりも高い物件が掲載されていることに気づきます。

ところが大阪市内の人気エリアでも12~13%程度の物件が売れずに残っているのです。本当に優良物件であれば、ポータルサイトに掲載されればすぐに売れてしまいそうですが、なぜ買い手が付かないのでしょうか。理由は「違法物件」だからです。

関西圏、とりわけ大阪では建ぺい率・容積率がオーバーしている物件が多く流通しています。その多さは半数程度が違法物件ではないかと感じるほどです。現在流通している違法物件は、かつて昭和の終わりごろから平成初期にかけて、収益性を上げる常套手段として関西圏でよく行われていた習慣の名残です。

新築物件を建てる際は建築基準法に基づいて設計し、役所に建築確認申請を行います。その時点で不備があれば見直しを指摘されますから、法律に基づいた設計が不可欠です。ところが、建築確認済証が発行されたあと、実際に建物を建築する段階になって設計を違法に変更し、そのまま建ててしまう行為が、大阪を中心とした関西で常態化していたのです。

例えば5階建てマンションの1階を車庫、2~5階を住居として申請するとします。その場合、1階の車庫部分は容積率に算入されません(面積の制限はあり)。そして、建築確認済証が出たのち、収益性を上げるために1階の車庫部分を住居に違法に変更し、そのまま建築してしまうのです。車庫から住居に転用することから、関西の不動産業者はこれを“車庫転(しゃこてん)”と呼びます。

1階の面積が50平米の物件があったとします。1階が車庫だった場合、車は4台駐車可能ですから1カ月の車庫代が1区画1万円とすると、合計収入は4万円です。しかし、これを住居に転用すれば、1室25平米の単身者向け住居を賃料5万円で貸し出せます。すると1カ月10万円の家賃収入となり、1階部分の収益性が2.5倍に上がるのです。

車庫転以外にも、部屋を横へ上へと増やしていき、賃料収入を違法に高める方法が採られました。当時は完了検査を受ける意識が薄かったこともあり、そのまま多くの物件が違法建築の状態で登記されていきました。これらの物件は違法な手段で収益性を上げているため、その分、利回りも高くなります。利回り12~13%程度の違法物件がゴロゴロしているのが実情です。

私の会社にも、容積率200%の土地に鉄骨造の容積400%の建物がある物件情報などが入ってきています。場合によっては利回り15%以上という物件すらあるのです。

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最終更新:10/16(水) 12:00
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