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アップルのクックCEOがもっと評価されるべき理由

10/16(水) 6:30配信

Forbes JAPAN

スティーブ・ジョブズが2011年8月25日にアップル最高経営責任者(CEO)の座を退いたあと、引き継いだのがティム・クックだ。ジョブズの穴を埋めるのは不可能だとはいえ、私はクックの仕事(ジョブ)はかなり素晴らしいと言いたい(ダジャレのつもりではない)。しかし、アナリストや批評家の一部からは、クックがCEOに就任して以来、iPhoneと同レベルの成功をおさめた新製品が登場していないことや、大型の企業買収を行っていないことを理由に、クックCEOを交代させるべきだという声があがっている。

iPhone並みの新製品をつくるのはほぼ不可能

初代iPhoneは、2007年1月に発表され、6月に販売を開始した。2007年、2008年、2009年の販売台数を見ると、それぞれわずか140万台、1160万台、2070万台。売上はそれぞれ1億2300万ドル、18億ドル、68億ドルだった。

ジョブズがCEOを務めていた最後の事業年度(2011年)におけるiPhoneの販売台数は7230万台で、売上は460億ドルだった。その後、2018年度には2億1800万台(最新の公式年間出荷台数)、売上は1650億ドルまで増加している。これほどの売上が見込める市場はほとんどないし、これほど画期的な製品が誕生することもめったにない。

アップルの製品戦略は、時間とともに進化していく非常に優れた製品やサービスを、ごく少数、世に送り出すことだ。この戦略を実現させるには、大きな収入源となる企業を買収するよりも長い時間を要する。こうした手法を、投資家たちが「評価」したり、「セクシー」だと考えたりすることはないかもしれない。しかし、さまざまな見地に立ってみれば、そのほうがリスクも少なく、長期的にみてもおそらくうまくいく。

Apple WatchとAirPods

アナリストたちは、アップルからは過去8年間イノベーションが生まれていないと話す。したがって、クックに代わる人間が必要であり、アップルを「次のレベルに引き上げてくれる」大手企業を、少なくとも数社は買収すべきだと彼らは主張する。アップルが新たな製品を出し続け、それが数百億ドルもの年間売上をあげていることは無視されているようだ。

また同社は、iPhoneを毎年アップグレードし続けているが、そうした技術的なハードルを乗り越えるのは容易なことではない。あっと驚くようなものを毎年発表することはできていないかもしれないが、新型チップセットや他の機能の導入にはかなりのプレッシャーがかかるうえに、ほんの少しの手違いや不手際があれば、株価に大きく響く。

アップルは、2015年4月に初代Apple Watchを発表した。Apple Watchのその後の売れ行きは上々で、スマートウォッチの代表的な存在となったものの、当時は、財務的には目立った変化はなかった。ただし、あれほど小さなフォームファクタに、コンピューターの性能と使いやすいインターフェイスを搭載するという技術的な挑戦を成し遂げたことには注目したい。また、初代は単に、Apple Watchシリーズのはじまりにすぎなかったことも忘れてはならない。技術の進化によって、デバイスの大きさを変えなくとも搭載できる機能は増えるだろう。

2016年12月にはAirPodsの第1世代が発表されたが、おおかたが無関心だった。ところが、2019年には最も「人気のある」ワイヤレスヘッドフォン・ブランドに選出されるまでになった。AirPodsも、あの小さなボディには多くの技術が凝縮されている。

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最終更新:10/16(水) 6:30
Forbes JAPAN

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