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米国の方針と真逆、安倍政権の中国への接近は危険だ

10/16(水) 6:00配信

JBpress

 (古森 義久:産経新聞ワシントン駐在客員特派員、麗澤大学特別教授)

 中国の軍備拡張や人権弾圧、貿易の不公正慣行に対して、米国のトランプ政権など民主主義陣営の主要諸国が批判を強めている。そんな中、日本の安倍晋三政権が中国に接近する姿勢が対照的に目立ってきた。中国は日本に対する偽りの微笑外交を進めているが、日本がその術策にはまる懸念さえ感じさせるようになってきた。

■ 「対中融和」を宣言する安倍首相

 米国の首都ワシントンで安倍晋三首相の中国に対する最近の言明を読むと、なんとも奇異に映る。日本外交の危機さえも感じられるほどだ。

 安倍首相が日本の安全保障の基軸だと宣言する同盟相手は米国である。だが、安倍首相の対中姿勢は米国の超党派とは正反対である。トランプ政権の対中政策を否定するような観さえある。

 米国では、中国の無法な対外攻勢を批判すると同時に、対中交流をあらゆる面で縮小するようになった。一方、安倍首相は10月4日、国会での所信表明演説で、中国との「あらゆるレベルでの交流の拡大」を強調した。

 さらに安倍首相は同じ演説で「来年の桜の咲くころに、習近平国家主席を国賓としてお迎えし」と誇らしげに述べ、「日中新時代を切り開きます」と宣言した。日本はいよいよ中国と緊密な関係を結ぶのだという融和外交の宣言のようにも響いた。

 しかし安倍首相のこのところの中国に対する融和的な言明は、あまりにも無理が多いと言わざるを得ない。日本と中国の間の現実の動きだけをみても、日本が中国にこれほどの友好姿勢をみせるべき根拠は何もないのだ。

■ 日本を敵視する政策は変えていない

 安倍首相の対中融和姿勢は、今年(2019年)1月の施政方針演説での「日中関係は完全に正常な軌道に戻った」という言明の延長だろう。「完全に正常な軌道」という表現は安倍首相が昨年10月に久しぶりの中国訪問を終えた後から何度も使われるようになった。

 だが、中国は尖閣諸島の日本領海に武装艦艇を恒常的に侵入させ、同諸島の武力奪取の構えさえみせる。日米同盟に反対し、日本のミサイル防衛など米国との安保協力を抑えようとする。大軍拡による日本への軍事的脅威も明白である。そんな中国との関係が、なぜ「正常」なのか。

 また、中国は国内で、「抗日」の名の下に戦時の日本軍の「残虐さ」を教えるこれまでの反日教育を変えていない。習近平政権は盧溝橋事件や南京事件の記念行事を、日本の「侵略」の歴史を刻む国家最高レベルの行事に引き上げたままである。

 さらに中国は自国内で活動する日本企業にも、知的所有権や合弁の扱いなど米国が非難する不公正な慣行を相変わらず強いている。

 最近では、新疆ウイグル地区や香港での人権抑圧も顕著にしてきた。安倍首相が今回の演説で熱を込めた人権尊重への明白な背反である。習近平主席は、新疆ウイグル地区でのウイグル人大量弾圧や香港での民主派勢力への強圧的な対応により、このところ米国でも欧州でも、抑圧的な独裁者として、これまでに増して忌避されるようになっている。

 習近平政権は日本に微笑を見せ始めた。国内でも反日と映る活動を表面的には抑え出した。だが、日本を敵視する政策の根幹はなにも変えていない。トランプ政権から全面対決を迫られ、日本との対立を減らすことで日米の離反を狙おうという戦術なのだ。

 そんな相手との関係がなぜ「正常」なのか。

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最終更新:10/16(水) 6:00
JBpress

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