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3秒で起業を決めた。サッカー元日本代表、鈴木啓太の「ネクストキャリア」論

10/16(水) 15:31配信

HARBOR BUSINESS Online

 選手時代の経験をもとに2015年、アスリートの腸内細菌を研究するベンチャー企業「AuB(オーブ)」を創業したサッカー元日本代表の鈴木啓太氏。4年間で500人以上の便を集め、その分析データからアスリート独自の特徴を発見。その知見を生かして大手食品会社や製薬会社との共同研究や製品の共同開発を手掛けるほか、自社の製品づくりに力を注いでいる。

⇒【画像】インタビューの様子

 16年間に及ぶ浦和レッドダイヤモンズの在籍中、数々のタイトルを獲得しながらもサッカー界に残ることなく事業経営の道を選んだ鈴木氏に、オーブ創業のきっかけやトップアスリートのセカンドキャリアに関する持論を聞いた。

「セカンド」ではなく「ネクスト」と考えていた

――アスリートのセカンドキャリアが社会課題の一つになっていますが、鈴木さんは自身のセカンドキャリアについて、いつ頃から考えていたのでしょうか。

鈴木啓太氏(以下、鈴木):20歳くらいの時から考えていました。ただ、「セカンドキャリア」という言葉には違和感があったんです。それまでやってきたことがぷつりと切れて、全く別の世界へ行くというイメージがあるからです。僕はそうじゃなくて、今までに手にしたものを引き継いで次のキャリアに向かうというイメージを持っていたので、「ネクストキャリア」というのがいいと思っていました。

――20歳というとまだやっと試合にではじめたくらいの頃ですよね。

鈴木:選手としての夢や目標はありましたが、それでも30歳までやれたらいいなという感じでした。そうするといつ辞めろと言われてもいいように、早めにいろんなことを考えていかなきゃいけないなと。

――ということは現役時代からすでに次のキャリアのために動いていた?

鈴木:そうですね。“違う畑”の人と会って話をすることが多かったです。特に、ビジネスをしている人の話をよく聞いていました。僕はサッカーしかやったことがなかったので、こんなことしてをきたとか、次はこういう時代がくるとか、社会はこれからこうなっていくといった相手の方の話を聞くのが楽しかったし、刺激を受けていました。

 そういうことを通じて、自分がいる世界がすべてじゃなく、世界はもっともっと広いんだなということを知りましたね。そうやって視野を広げていくことが、人間の幅を広げてくれたと思うし、それがサッカーにも生きていました。

――現在の事業も、早くから準備をしていたのでしょうか。

鈴木:この事業に関しては、これだ!と思ったからやっただけです。3秒で決めました(笑)。
 2015年のことです。当時、僕は不整脈があって満足にプレーができなかったんですね。その頃、あるトレーナーと飲みながら話をしている時に、「“うんち”を調べている人がいる」と聞いたんです。何それ?と。

 もちろん僕にはその意味がわかったんですよ。きっとその人は腸内細菌を調べている人に違いないと。それは僕が子どもの頃から調理師の資格を持った母親から「腸が一番大事よ」と言われて育ち、毎朝、便の状態を見て体調を測っていましたからね。また高校時代からは腸内細菌のサプリメントを飲み、サッカー選手になってもお腹でコンディションを作っていましたから、その人の話を聞いて昔からの記憶が一気に頭に蘇ってきたんです。

「その人どこにいるの?」「会わせて!」とお願いして、2、3日後には会いに行きました。お話を伺っている間に、「アスリートの腸内細菌を調べたら面白くないですか?」と話したら、それは面白いと。すっかり意気投合して、次の日にはメンバーを募って会社設立に向けて動き出したんです。

――ちなみに経営の勉強はしていたのでしょうか。

鈴木:いえ、なにもしていなかったです。ただこの研究は必ず注目される日が来るという確信だけはありました。

――世界にたくさんの優秀な研究機関がある中で、鈴木さんがやろうと思えたのはどういう考えからだったんでしょう?

鈴木:アスリートの中で腸内細菌を知っていて、なおかつそれを毎日のコンディション作りの基礎にしていた人って、たぶん僕以外いないと思うんですよ。それで、これは僕がやるべき事業だというふうに、頭の中でつながったんですよね。

 また僕にはアスリートとのコネクションがあるんだから、みんなから便を集められるっていうこともありました。

――鈴木さんの実績や知名度を考えれば、きっとほかにもいろんな道があったはずですが、よりによって腸内最近の研究という難しい分野を選んだのですね。

鈴木:これは自分がやらなきゃいけないと思ったし、またそれができるのは、おそらく僕しかいないと思ったんです。

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最終更新:10/16(水) 15:31
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