ここから本文です

ご存じですか?「ワーケーション」 休みにチョッと働いて長期休暇を取りやすく

10/17(木) 6:10配信

NIKKEI STYLE

《連載》ニッキィの大疑問

「ワーケーション」という言葉をよく耳にするわ。職場に出勤せずに自宅などで働く「テレワーク」がさらに進んだ働き方みたいよ。どんな働き方なのかな。ワーケーションの現状や先進的な事例などについて、宮原千枝さん(49)と福島愛さん(34)が石塚由紀夫編集委員に聞いた。

【図解でわかる】ワーケーションに取り組む企業や自治体はこちら

――そもそもワーケーションとは何ですか。

仕事(ワーク)と休暇(バケーション)を融合した造語です。会社員が休暇中に滞在先の観光地などで働くことです。例えば1~2週間の連続休暇を取ったとき、その間に数日働くイメージです。海や森林など豊かな自然環境の中で心身を休める一方、どうしてもやっておかなくてはいけない仕事をサッと済ます。仕事と休暇の両立を目指した新たな働き方です。

情報技術の発展で、いつでもどこでも働けるようになりました。休暇中に仕事メールを処理したり、パソコンで書類をまとめたりしていた会社員はいるはずです。本来は短時間であっても仕事をすれば労働時間に当たります。ただ就業ルールが曖昧で、“ただ働き”の面がありました。こうした状況を改善しようとワーケーションを公式に制度化する企業が出てきました。

――導入する動きが出てきたのはどうしてですか。

有給休暇の取得促進策として企業が注目しました。厚生労働省の調査によると、2017年の有休取得率は51・1%。政府は20年までに70%に引き上げると目標を掲げていますが、遠く及びません。厚労省の別の調査では、有休取得にためらいを「感じる」または「やや感じる」と答えた人は6割を超えます。「(職場の)みんなに迷惑がかかる」「後で多忙になる」などの理由が目立ちました。

それなら休暇先での就労を認めれば長期の連続休暇も取りやすくなると企業は考えました。4月から企業に対し、従業員に年5日の有休を取得させることが義務付けられました。ワーケーションは有休取得を促す策でもあります。

――先進的な事例はありますか。

日本航空は17年度に試験的に実施し、18年度から正式に導入しました。1日1時間以上働けばよいスーパーフレックス制度と併用できます。帰省先やリゾート地から1時間程度、WEB会議に参加する社員もいるそうです。会議のために休暇を切り上げる必要がありません。18年度は約170人が利用しました。

ワーケーションの受け皿となる観光地や地方も積極的に動き出しています。和歌山県は8月に首都圏の親子を対象に2泊3日の体験ツアーを実施しました。親が働いている間、子供たちは南紀白浜や串本の水族館などで夏休みを楽しんだそうです。

少子化が深刻な地方にとってワーケーションは都市との交流人口を増やすチャンスです。11月には誘致に熱心な自治体が協議会を発足させる予定です。和歌山、長野の両県のほか、京都府舞鶴市や北海道北見市など40を超える自治体が参加する見通しです。

1/2ページ

最終更新:10/17(木) 10:51
NIKKEI STYLE

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事