ここから本文です

オーバーツーリズムに苦しむバリ島のプラごみ対策

10/17(木) 7:13配信

ナショナル ジオグラフィック日本版

使い捨てプラの禁止など、バリ島は美しい自然と観光産業を守る対策に乗り出した

 バリ島と聞いて思い浮かぶのは、美しい浜辺だろう。しかし、インドネシアにあるこの天国のような島の浜辺は、今では貝殻よりもプラスチックごみが目立つようになりつつある。

ギャラリー:バリ島のごみの流れ図解とプラごみ対策 写真8点

 バリ島ではプラスチックごみが増加の一途をたどる。原因はインフラの不足、つまるところ「ごみ政策」が不十分なのだ。これに観光客の増加、島の人々の習慣が拍車をかけ、プラスチックが海に流される。さらに、浜辺に打ち上げられたごみに対する意識の低さも、レジ袋やあきびんが転がるビーチの状況を悪化させている。

 2015年に学術誌「サイエンス」に発表された、プラスチックごみの管理が不十分な国上位20カ国に関する論文で、インドネシアはワースト2とされた。同国が2010年に排出したプラスチックごみは320万トンにのぼり、そのうち半分近くが海に流出していた。ちなみに、ワーストは中国だった(米国は20位)。インドネシア政府がナショナル ジオグラフィックに開示した数値は、この論文で示された数字よりもかなり低かったが、それでも結論は変わらない。インドネシアでは、プラスチックごみの大半の管理が不十分な状態にある。

 バリも手をこまねいているわけではない。プラスチック問題の解決に乗り出し、中には有望な対策もある。2018年末、バリ州知事のワヤン・コスター氏は、プラスチック製の袋、ポリスチレン、プラスチック製のストローの使用を禁止すると発表。インドネシア政府は、2025年までに海洋プラスチックごみを70パーセント削減することを公約にしている。またバリ行政は、バリ島最大の埋立地である、州都デンパサールにある広さ32万平方メートルのスウォン処分場を、緑地公園と廃棄物発電所として改修しようとしている。

意識を変える人々

 バリ住民も行動を始めている。メラティ・ワイゼンとイザベル・ワイゼンの姉妹は、彼女たちが12歳、10歳だった6年前に、レジ袋廃止に取り組む団体「バイバイ・プラスチックバッグ」を立ち上げた。同団体は今では、バリで最大級の環境NPOに成長している。

「わたしたちが活動の中心に置いているのは常に、人々の考え方を変えることです。プラスチックに対してノーと言うことの重要性に対する理解を促したいのです」。現在18歳になった姉のメラティ氏はそう語る。

「バイバイ・プラスチックバッグ」を立ち上げて以来、多くのバリの若者たちがプラスチックごみ問題の重要性を意識するようになったと、メラティ氏は言う。

「6年前、生徒数150人の小学校に講演に行くと、生徒たちは大いに賛同してくれました。一方で、プラスチックは良いものか、悪いものかと尋ねると、全員がプラスチックは良いものだと声をそろえました」

 今では、どの学校へ行っても、多くの子どもたちがプラスチックは使ってはいけないものだと答えるという。「プラスチックごみはいまや、若者たちの日々の生活に深く根ざしたトピックになっています。わたしたちが重要視しているのは、まさにそこなのです」

1/2ページ

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事