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「トランプ再選」を後押しか? FRBの資産再拡大が意味するもの

10/17(木) 6:01配信

現代ビジネス

FRB資産再拡大の意味

 FRB(米国連邦準備理事会)のパウエル議長は、10月8日の講演で、9月から始まった短期金融市場の金利上昇を抑制するためにFRBの資産を拡大させる旨の発言を行った。そして、続く10月11日にはFRBが公式見解として、短期国債を月600億ドルのペースで購入すると発表した。しかも、この資産の再拡大は、少なくとも2020年4~6月期まで続けられる見通しである。

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 確かに、FRBは同時に「今回の操作は適切な銀行システムを維持する純粋に技術的な政策である」とし、あくまでもテクニカルな金融調節である点を強調し、量的緩和の再開ではないとしている。

 だが、筆者は、これは事実上の量的緩和拡大と等しい効果を持つと考える。従って、今回のFRBの措置は、以前の当コラム(1月10日、8月22日)でも指摘した、「(米国の)株価にとって重要なのは、『金利政策(すなわち、利上げをやめる、もしくは小幅の利下げをする)』ではなく、『MBの供給増(FRBのバランスシート縮小の停止、もしくは拡大への転換)』であると考える」が実現することを意味する。

 これは、米国株価、及び米国経済にとっては極めてポジティブな話である。

 ところで、新聞報道等では、今回のFRBの資産拡大が、テクニカルな金融調節である理由の1つとして、「購入資産の対象が、量的緩和時に主に買い入れた長期国債や住宅ローン担保証券(MBS)ではなく、償還期間の短い短期国債に絞っている」ことを指摘している。だが、この見方は適切ではない。

 ここまで米国債券市場は3ヵ月物国債利回りの水準が10年物国債利回りの水準を上回る「逆イールド」で推移していた。国債購入によるFRBの資産拡大は、金利がゼロの現金等価物からなるべく離れた高利回り債券を購入することによってより緩和効果が出るものである。

 従って、「逆イールド」、もしくは、「逆イールド」に近い状況下では、長期国債ではなく、短期国債を購入した方が資産拡大の効果が大きい(これについては、9月19日の当コラムの「ディビジア指数」の説明を参照のこと)。

 よって、現在の局面では、わざわざ長期国債を購入するよりも短期国債を購入した方が緩和効果は出やすい。その意味では、FRBの意図が本当に単なる金融調節であるか否かは重要な論点ではなく、結果として量的緩和(QE)政策の効果は発現してしまうと考えた方がよいのではなかろうか。

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最終更新:10/17(木) 6:01
現代ビジネス

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