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思考力を高めるためには、論理的思考力が高い人が書いた読み応えのある難しい本をじっくり読む

10/17(木) 6:01配信

ダイヤモンド・オンライン

 今、社長の人も、これから社長を目指す人も、さらにレベルアップ、スキルアップするためには、何をどうすればいいのでしょうか? 人気コンサルタント小宮一慶氏の最新刊『社長の成功習慣』(ダイヤモンド社、9月5日発売)は、経営者になる人にぜひ身につけてほしい50の行動習慣について解説した社長のための教科書です。本連載では、同書から抜粋して、経営者としていっそう成長するためのポイントについてお伝えしていきます。

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● ビジネスパーソンに必要なのは、「思考力」と「実行力」

 私は、経営者に限らずビジネスパーソンに必要とされる基礎的な能力は2つあると考えています。

 1つは「思考力」、もう1つは「実行力」です。

 特に経営者や経営者を目指す人には、複雑なことを考え抜く高い思考力が求められます。というのも、これは多くの人があまり理解できていないポイントなのですが、世の中は「複雑系」だからです。

 単純にしかものを考えられない人には、その複雑系の中で方向づけを決めることは難しいのです。ここで注意が必要なのは、近年、日常生活はどんどん単純化されているということです。

 たとえば一昔前までは、電車に乗るには路線図を見て運賃を確認し、券売機で切符を買い、お釣りを確認し、その後も切符をなくさないように気をつけなくてはなりませんでした。

 しかし、今はスマートフォンやICカードを改札にかざすだけですべてが済んでしまいます。非常に便利ではありますが、こうして世の中が便利になることで、頭を使う機会はどんどん失われているということも言えるわけです。ぼんやりしていると、複雑なものを複雑なまま理解する、「考える力」は落ちる一方ということになりかねません。

 企業の方向づけを判断しなければならない経営者には、意識的に思考力を鍛えることがますます求められるようになっているのです。

● 自分の仕事に関係する「難しい本」をじっくり読む

 思考力を高める方法としてまずお勧めしたいのは、自分の仕事に関係する本、それも難易度が高く読み応えのある本をしっかり読むことです。

 私はいつも部下には「論理的思考力の高い人が書いた難しい本を分かるまでじっくり読む」ようにアドバイスしています。

 先にお断りしておくと、「難しい本」には2通りあります。

 1つは論理的思考力の高い人が書いた本、もう1つは「書いている人もよく本質を分かっていない、難しく書いてあるだけの本」です。

 学生の論文などでよく見受けられますが、書き手が理解できていないのに難しそうに書かれた文章が世の中には数多くあります。

 一般に流通している本の中にも、残念ながらそういったものは少なくありません。それは頑張って読んでも思考力は上がりませんから、避けなくてはなりません。

 「論理的思考力が高い人が書いた、読みがいのある本」を選ぶには、書き手の評価をネットなどで見てください。たとえば私は、経済について分からないことがあればジョセフ・E・スティグリッツの『入門経済学』に立ち返って読みます。

 スティグリッツはノーベル経済学賞を受賞した大家ですから、この本は「入門」とはいうものの簡単には読みこなせませんが、全部読めなくても構わないのです。もしGDP(国内総生産)のことで不明点があればこの本のGDPに関する部分を読み込みます。

 また、私は専門分野の1つが金融なので、前日銀総裁の白川方明さんが書かれた『現代の金融政策─理論と実際』も手元に置いています。これも、たとえば準備預金について分からないことがあったら、準備預金について記述されている部分をしっかり読むのです。

 もちろん、こういった本の内容はとても難しいのですが、それを読みこなせれば、たとえ2ページ分でもノーベル賞レベルの人に近い水準に到達できるわけです。

 ですから「きちんと読む」ことが重要で、1ページ30分かかっても、どうしても分からなければより簡単な入門書に立ち返ってでも、とにかくしっかり分かるまで読む、注釈も含めて丁寧に読むことが大切です。そこまでやってこそ、思考力は鍛えられます。

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最終更新:10/17(木) 6:01
ダイヤモンド・オンライン

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