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なぜ安倍政権は財政政策を発動しないのか

10/17(木) 11:00配信

東洋経済オンライン

 今後、筆者は、アメリカ経済では、非製造業や労働市場などにも減速感がが広がると予想する。ただ、上記に挙げた政策対応の下支えによって、アメリカ経済はぎりぎりのところで景気後退を回避すると予想する。2020年の大統領選挙の情勢は流動的だが、現職のトランプ大統領が成長率を高める財政政策に前向きであることは重要である。

 2020年にかけての各国の株式市場のパフォーマンスには、経済成長押し上げに対する政治、政策当局の姿勢が大きく影響すると見込む。今後6カ月程度は、アメリカ株市場の下振れリスクは大きいと予想するが、同国株のパフォーマンスは相対的には他国を上回るだろう。

■日本は安定化政策の観点で最も期待できない国

 一方、経済安定化政策の観点で、最も期待できないのは日本だと考える。2018年夏場から日本銀行は引き締めを模索し始めた。その直後から日本経済の景気後退が始まっていたとみられる中で、金融政策の現状維持が続いている。10月末の金融政策決定会合でも「政策据え置き」を予想する。

 さらに、2019年10月からの消費増税により財政政策は緊縮方向に転じた。金融財政政策がいずれも緊縮的に作用しているため、日本経済の先行きは、海外経済次第(より正確に言えばトランプ大統領次第)という大変心許ない状況に至っていると判断される。

 日本の経済メディアでは、2013年に安倍政権が主導した金融政策転換の成果を認めない「政治バイアス」に影響された、「金融財政政策は限界を迎えた」という見方が強まっているようだ。筆者は、アメリカをはじめ、多くの国で財政政策が拡張方向に転換する中で、日本では再び「ガラパゴスな経済議論」が復活し始めたように感じている。

 2019年10月から緊縮財政が始まり、政府による国債発行は今後さらに減少するだろう。イールドカーブを制御するという現行の政策に日銀が固執する限り、日銀による国債購入も減るため、金融緩和効果も減衰する。

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最終更新:10/17(木) 11:00
東洋経済オンライン

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