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日本人は本当に「環境問題に興味が無い」のか。オランダ最新事情から見えてくる日本のビジネスチャンス【オランダ発スロージャーナリズム】

10/18(金) 20:01配信

FINDERS

この10月、日本を襲った台風は近年まれに見る規模。ここ最近の自然災害は過去に例を見ないほど凄まじく、いまだ生々しく全国にその爪痕が残っているかと思います。まずは被災された方には心よりお見舞い申し上げます。

実はこうした自然による大規模災害は、日本だけではなく世界規模で見ても近年激増しています。今年の9月頭には、カリブの島国ハイチを過去最大級のハリケーンが襲いました。そして、なんとハリケーンが直撃した一晩だけで、ハイチのGDPの58%が失われ、40万人の国民のうち7万人もの人がホームレスになってしまったというニュースもあります。

世界ではこうした傾向は、人間の地球上での活動の結果もたらされた気候変動が理由ではないか?と考えられています。ここで「考えられています」と書いたのにはわけがあります。実は、ヨーロッパではすでにこうした凶暴化する自然災害は、ハッキリと人間の活動がもたらした気候変動によるものとしています。しかしアメリカなど一部の国では、まだこうしたことの因果関係を認めていない国もあります。ということで「考えられています」としましたが、ヨーロッパではすでにここには議論の余地はありません。

ということで、今回はオランダやヨーロッパなどの、こうした環境問題への取り組みについてご紹介したいと思います。

ヨーロッパはSDGsよりもパリ協定を重視

さて、この手のこと、例えばサステイナブルな話やSDGsを話題にした記事、実は日本ではガクッと注目度が落ちます。例えば、今年4月に紹介したスウェーデンの高校生グレタ・トゥーンべリさんの記事(関連記事「女子高生がたった1人で始めた抗議を学校や政府が公認。「フライデー・フォー・フューチャー」は世界を救えるか?」を参照)。当時、ヨーロッパではすでに大きなムーブメントになっており、オランダでもうちの子どもが通う小学校でさえ「学校を休んで金曜日のデモに参加してもよい」という通知があったくらいです。グレタさんの始めた活動は、最近でこそようやく日本でも紹介されるようになったためご存知の方も多いと思いますが、4月の時点ではこの連載記事はまったく話題になりませんでした。

また6月に紹介したサステナブルな観点から、オランダの「食」が賑わっており、そういう視点で見ても「日本食には大チャンスである」という記事(関連記事「これもサステナブル?「食の不毛地帯オランダ」のレストランが超絶熱い理由」を参照)。日本人にとっては、ビジネスにも直結する貴重な情報だと思って紹介しましたが反応はサッパリでした。

また無理矢理ヨーロッパの「サステイナブル」な取り組みを、日本の企業やメディアに紹介したり、つないでも、いまだに「日本ではサステイナブルは金にならないですからね…」という塩対応をされています。

ところが、少しだけ風向きが変わってきたかな…と感じるのがSDGs。こちらはご存知の方も多いと思いますが、 2015年の国連サミットで設定した2016年から2030年の持続可能な世界を実現するための17分野のゴール設定です。いわば2030年の国際環境目標です。

こちらは日本企業でもさかんに言われるようになってきた感じがします。とはいえ、まだまだ「企業として取り組まないとダメなんでしょ?」「儲からないけど、とりあえずSDGsに取り組んでますと言えるようにしておかないと」といった感じも受けます。または逆に、セミナー主催者などは、とりあえずタイトルなどで「SDGs」と言っておけば良いといった感じも見受けられます。

一方で、実はオランダ(ヨーロッパ)では、そこまで SDGsというワードは目にしません。これは逆に、日本では数少ないSDGsに関心をもっている方には意外かもしれません。というのは、実はオランダ(というかヨーロッパ)で、重要視されているのは「パリ協定」なのです。

パリ協定というと言葉だけは聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。こちらは2015年に気候変動抑制を目的として多国間で合意したもので、法的拘束力を持ったものです。国連サミットのSDGsとは違い、参加国全てに法的拘束力を持った協定である、という点が大きな違いです。

パリ協定の具体的な内容は、2018年に開かれたCOP24で決定しました。2050年までに気候環境に負荷を与えない経済の実現を目指すためのビジョンで、実はEUが他国を先導し世界に向けて明示したものでした。そして、今後EU自らでも電力、産業、輸送、農業、建物などの各分野で、低炭素社会への移行に向けた多角的な取り組みが計画されています。

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最終更新:10/18(金) 20:01
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