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五千万円以上でも…「北斎の浮世絵」が高額で落札されるワケ

10/18(金) 11:00配信

幻冬舎ゴールドオンライン

日本人にとってアートは「一部の愛好家のもの」という認識が強くあります。一方世界、特に欧米では、絵画をはじめとするアート作品は実物資産として富裕層を中心に身近な存在です。またグローバル企業のなかにはアートで美意識を磨き仕事に活かすという流れがあり、富裕層のみならず、一般層にもアートの興味・関心は広がりつつあります。本連載ではShinwa Auction株式会社の高井彩氏が、アートを身近に感じることのできる展覧会をレビュー。その見所や、展示されているアートの市場価値などを紹介していきます。今回取り上げるのは、葛飾北斎の浮世絵。

なぜ浮世絵は「江戸町民」から支持されたのか?

JR・地下鉄大江戸線両国駅より徒歩10分足らず、葛飾北斎生誕の地と伝えられるまさにその場所に「すみだ北斎美術館」はあります。今回は同館で11月4日(月)まで開催中の「北斎没後170年記念 茂木本家美術館の北斎名品展」を紹介しながら、北斎作品の美術品市場取扱実績をみていきましょう。

[北斎没後170年記念 茂木本家美術館の北斎名品展]

●開催期間:2019年9月10日(火) ~ 2019年11月4日(月)

(前期:9月10日~10月6日 後期:10月8日~11月4日)

葛飾北斎は1760年、徳川第10代将軍・家治の治世に本所割下水付近(東京都墨田区)で生まれました。14歳の頃に木版画を学び始め、19歳で役者絵を得意とした浮世絵師・勝川春朗に弟子入り、20歳で浮世絵界にデビューします。

浮世絵の「うきよ」とは、もともと仏教用語でつらく儚いこの世を意味します。しかし江戸時代になると、世間一般、特に町人たちが活動した都市部で、人々が現世を謳歌する様を表すようになりました。現在、浮世絵の語は江戸時代に描かれた風俗画を指し、手描きを意味する「肉筆」や鈴木春信が生み出した多色摺り木版画「錦絵」など様々な技法で描かれたものを含みます。

浮世絵は庶民層から大きな支持を得ますが、それは浮世絵の登場で、ついに庶民が観賞用の絵を簡単に買うことができるようになったから。木版技術の導入によって大量生産が可能となった結果、1枚あたりの単価が下がり、流通が安定するとA4サイズの浮世絵を1,000円以下で買うことができるようになりました。画中に宣伝文句を摺り込んだ広告に美人画、役者絵、春画、風景画、風刺に戯画と、浮世絵は民衆が望むテーマを制限なく取り入れながら発展していきます。

茂木本家美術館は、千葉県野田市、キッコーマン株式会社本社のほど近くにある近現代美術を所蔵する美術館です。江戸時代より醤油醸造に勤しみ、後にキッコーマン創業家の1つとなった茂木本家、十二代当主茂木七左衞門(1907‐2012)が収集した美術品を一般公開しています(入館は予約制・詳細は美術館HPへ)。本展には北斎の代表作《冨嶽三十六景》《諸国瀧廻り》《諸国名橋奇覧》《北斎漫画》他、前後期併せて116点の北斎関連作品を提供しています。

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最終更新:10/18(金) 11:00
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