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U-12監督の仁志敏久が語る指導法。 「ただ見守ることが一番難しい」

10/18(金) 6:10配信

webスポルティーバ

巨人、横浜の内野手として活躍し、現在は侍ジャパンU-12の監督を務める仁志敏久氏。2014年から日本トップクラスの小学生たちを率いて海外の大会に出場し、好成績を収めてきた。今後の野球界を背負っていく数多くの原石たちを間近で見てきた仁志氏に、選手の育成法について聞いてみた。

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――過去6年間、U-12世代を率いてきて、選手たちのレベルや質をどう見ていますか。

仁志 自分のチームでしっかり練習をしているので、選手たちの完成度は高いと思います。ただ、全体的に背は大きいんですけど、海外の選手に比べて骨格がちょっと細いなという印象はありますね。

――この6年間のなかで選手の変化を感じることはありましたか。

仁志 2014年のころに比べると、「侍ジャパン」として戦うことにステイタスを感じる子がたくさん出てきました。ときどき、自分の所属チームと侍ジャパンのスケジュールが重なるケースがあるんですが、子どもたちはジャパンのユニホームを着たいので葛藤があるようです。その様子を聞いていると、子どもたちも代表チームのユニホームを着たいんだなというのがよくわかりますね。

――仁志さん自身、指導法や選手へのアプローチの仕方に変化はありましたか。

仁志 基本的には変えていません。ただ僕がその年に学んだことを取り入れて次の年に挑んでいるので、その意味では少しずつ変わってきているのは事実です。子どもたちの資質はそんなに大きくは変わらないんですが、どんどん現代風に変わってきている印象があります。今いちばん気をつけているのは、注意事項を全部最初に言うこと。「こんなの言わなくてもわかるでしょ」というのが通用しないんですよ。それをしないと、子どもたちが「だって言ってなかったじゃないですか」と感じているのがわかります。大人がだまっていても、期待していた通りの行動をする子は少ないですね。

――技術的な面で、小学生年代で身につけておくべきことはありますか?

仁志 とても一般的なことだけでいいと思います。ボールの握り方とか、体を大きく使って投げるとか打つとか、本当に原点的なところです。打つ時の構え方やバットを振る角度など、細かい技術を教えすぎてしまうと、伸びしろがなくなってしまいます。これが日本の子どもたちの懸念材料ですね。それがさっき言った「完成度が高い」という部分です。型にあてはめてしまうのは、絶対にやってはいけないと思います。

――小学生年代は、まだまだお父さん監督やコーチがいます。彼らはどんな意識をもって取り組んでいくべきでしょうか。

仁志 できることを確実にできるようになっていく過程を見守ることが大切ですね。できないことを無理にやらせても期待するような効果はなく、むしろケガの原因になります。ボールを投げて相手に届かなかったら、ワンバウンドでいいと思います。それを届かないのに、ぐちゃぐちゃなフォームで思いっきり投げて暴投するのは、まったく意味がないですね。

――最近では、ケガのリスクへの関心も高まっていて、投手の投げすぎが大きな話題になっています。全日本学童軟式野球大会「マクドナルド・トーナメント」では球数制限70球が実施されました。この導入についてはいかがですか?

仁志 すでに国際試合ではかなり細かい規定がありますし、日本でもあるべきだと思います。まずは70球でいいと思いますが、気をつけてほしいのは、「マックス70球までいいなら、そこまで投げさせてしまえ」と思ってしまうことです。それは少し安易すぎます。その前に体力的に消耗が激しかったら、球数に関係なく代えないといけない。目安は球数ではなく、その子の表情とかしぐさとか投げているボールを見て、代えてあげるのが一番いいと思いますね。

――練習時間についても全日本軟式野球連盟は「1週間に6日以内、1日3時間以内」というガイドラインを出しています。この判断はいかがでしょうか。

仁志 方向性はいいと思います。ただ、もう少し細かいガイドラインがあってもいいかもしれません。指導者って練習内容に困っていることが多いんです。わからないから、とりあえずノックや、バッティング練習をやります。試合形式のノックをやるところもあって、7イニングとかやってしまうと、子どもたちはほぼ突っ立っているだけで練習が終わってしまう。人数が多いと満足な練習ができなくなってしまうので、そういうところもレクチャーしてあげたほうがいいかもしれないですね。

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最終更新:10/18(金) 6:10
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