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結婚してくれない彼と付き合い続けて10年。34歳で諦めかけた女に訪れた、思いがけぬ展開とは

10/18(金) 5:20配信

東京カレンダー

-“女”の幸せとは、結婚し、子どもを産み育てることである。

そんな固定概念は、とうの昔に薄れ始めた。

女たちは社会進出によって力をつけ、経済的にも精神的にも、男に頼らなくてもいい人生を送れるようになったのだ。

しかし人生の選択肢が増えるのは、果たして幸せなことだろうか。

選択に結果には常に自己責任が伴い、実際は、その重みで歪む女は少なくない。

この連載では様々な女たちの、その選択の“結果”をご紹介する。前回は、産まない選択をした加奈を紹介した。

今回は結婚してくれない男と付き合い続ける、琴美(34歳)のお話。

名前:琴美(仮名)
年齢:34歳
職業:大手損害保険会社勤務


「適齢期の女性と長く付き合っておいて、それでも結婚しようとしない男の思考回路って、一体どうなっているんだと思います?」

ゆっくりと穏やかな口調ではあるが、その声に静かな怒りを滲ませながら、女は疑問を投げかけた。

琴美・34歳。大手損害保険会社で働くOLだ。

仕事帰りの女性客やカップルで賑わう都内のカフェで、琴美はお酒がほとんど飲めないらしく、近づいてきたスタッフに「ジンジャエールを」と頼んだ。

童顔で、ふわふわとマシュマロのような印象を受ける女性である。

透明感のある白い肌はとても30代半ばには見えず、柔らかな素材の黒ニットに、白いプリーツスカートという服装もコンサバで清楚。

彼女の“事情”を知らなければ「ご結婚されていますよね?」と尋ねてしまいそうな落ち着きがある。

実際、琴美自身も、20代のうちに結婚する予定だった。…結婚してくれない彼に、10年間も捕まっていなければ。

「彼、真一郎との出会いは11年前。まだ会社に入ったばかりの頃、同期に誘われて男女数人でスノボに行ったんです。夏はキャンプ・冬はスノボ、しばらくはグループで仲良くしていたのですが、そのうち二人で会うようになって」

大手不動産デベロッパーに勤める真一郎は、当初から、ぐいぐい来るような肉食系の男ではなかった。

穏やかで優しく、誰とでもうまく付き合える性格が長所である反面、強い意志がなく、優柔不断な一面が最初からあったという。

ただ琴美自身、代々続く金属部品の製造業を営む家庭に生まれ、小学校からカトリック系の女子校育ちで、争いや競争と無縁の人生を送ってきた。そのためぐいぐい自分を押し通したり、野心を丸出しにするような男性が苦手だった。

その点、真一郎は大学教授の父親を持つ良家で育っている。少々煮えきらないところがあっても、彼と過ごす時間は平和で、穏やかで、琴美を安心させてくれるのだった。

「ただ、付き合うまでも大変だったんです。何度もデートしているのに、一向に付き合おうと言ってくれなくて。当時はまだ若かったこともあって、友達も巻き込んで彼をせっついてもらったりして、ようやく付き合うことになったのが24歳の時でした」

付き合い始めた当初、まだ若かった二人は、ピロートークで「いつか結婚したいね」なんて話すこともあった。

しかしそれはお互いに戯言のようなもので、重さも現実感もないからこそ言えた言葉だ。その証拠に、年齢を重ねた今となっては、真一郎はたとえ冗談でも「結婚」の「け」の字も口にしないという。

「私はお酒が飲めないし、真一郎も飲み歩くようなタイプじゃないから、特に何の問題も起きず、無風状態のまま月日だけが経ったというか…。気づいたらお互いアラサーになっていた、という感じでした。ただ、この頃から少し、私と真一郎の関係性が変わったんですよね」

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最終更新:10/18(金) 5:20
東京カレンダー

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