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宿敵か、同志か 桐生祥秀とサニブラウンの「緊張関係」

10/19(土) 16:01配信

FRIDAY

「思い切りスタートしてくれ。バトンは必ず渡すから」

10月5日の世界陸上・男子400mリレー決勝で、桐生祥秀(きりゅうよしひで)(23)は、アンカーをつとめる日本記録保持者サニブラウン・ハキーム(20)にそう伝えた――。

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桐生にとってサニブラウンは絶対に負けられないライバルだ。高校時代から日本陸上界の宝として日本中の期待を一身に集めてきた桐生。しかし、’17年の日本選手権では、新星のごとく現れた3歳年下のサニブラウンに完敗。レース後に号泣した。桐生が’17年に樹立した日本新記録も、今年6月にサニブラウンの9秒97に塗り替えられてしまった。

「走る前もサニブラウンのほうばかり見るなど、桐生は彼を相当意識しています。一方、サニブラウンは桐生を一切意に介していない様子。彼はマイペースで走っていました」(スポーツ紙記者)

そんな「緊張関係」にある2人だが、日本代表として出場するリレーは、「協力関係」とならなければ世界と戦えない。

「日本は走力で劣る部分をバトンパスの技術で補ってきました。しかし、近年は強豪国のアメリカなどもパス技術を上げている。予選のような速度を緩めて走りながらバトンを受け取る『安全バトン』では、メダルも危うい。最年長としてチームを率いる桐生は、早くスタートを切り、かつトップスピードに急加速してバトンを受け取る『攻めのバトン』で臨まなければならないと決意したのでしょう」(スポーツライターの高野祐太氏)

「トップスピードのお前に必ず追いついてバトンを渡すから、俺を信じてくれ」そんな想いを込めて「攻めのバトン」に挑んだ桐生とサニブラウン。はたして、2人の挑戦は功を奏し、世界陸上で日本は男子400mリレーのアジア新記録を樹立した。

「サニブラウンが思い切りスタートできたのは、桐生の実力を認めていたから。その意味で、銅メダル獲得、アジア新記録は、日本チームの力が合わさった結果です」(スポーツライターの折山淑美(おりやまとしみ)氏)

一方で、東京五輪・男子100mの出場枠は最大3名。2人はその枠を争うライバルでもある。馴れ合いじゃない「緊張関係」が日本チームをメダルに導く。

『FRIDAY』2019年10月25日号より

FRIDAYデジタル

最終更新:10/19(土) 16:01
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