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妊婦を米国外から呼び寄せ「赤ちゃん工場」に利用していた男が逮捕

10/19(土) 19:30配信

Rolling Stone Japan

米アリゾナ州の公選役職者が海外から妊婦を雇い、生まれた子供をアメリカの闇市場で売らせる計画に関与していた疑いで起訴された。
 
現地時間8日、養子縁組弁護士でアリゾナ州マリコパ郡査定人のポール・ピーターセンが違法に数十人もの妊婦をマーシャル諸島からアメリカに呼び寄せ、国内で生まれた子供を里親に最高4万ドルで販売する計画に関与していたとして逮捕された。検察は最大70人のマーシャル諸島の女性が巻き込まれたと見ている。

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検察の調査によるとピーターセンはこの計画を2005年から組織しており、被害者は数十人に上るという。現在アーカンソー州、ユタ州、アリゾナ州の3つの州で通信詐欺、密入国、養子詐欺など合計62件の容疑で起訴されている。

3つの州からの裁判所文書によるとピーターセンはこの計画を2005年から組織していた。ピーターセンはマーシャル諸島の人間に金を払い現地の妊婦を探させ、彼女たちに一律1万ドルに加えて妊娠1カ月ごとに1000ドルを支払うことで、アメリカ国内で出産させ子供を養子に出させるようにしていた。渡米してから女性たちは出産までアリゾナ州メサにあるピーターセンが所有する住居で寝泊まりしていた。裁判所文書によると女性たちはひどい生活状況を強いられており、一度に最大15人の妊婦たちが床に敷いたマットレスに寝かされていた(実際、ピーターセンが逮捕された日の夜、8人の妊婦が彼の所有するメサの家に住んでいるところをアリゾナ州警察が発見した)。
 
里親たちはピーターセンに2万6000~4万1000ドル支払い、生母の医療費に必要な額だと説明されたと供述した。証言と銀行記録から、ピーターセンは2016年から2018年の間に最高280万ドルの利益を得ていると見られている。

見逃された手がかり

ピーターセンの悪事は2017年に、FBIへの匿名での通報により発覚している。しかし2006年に、ピーターセンが提示した養子に引き取る手順の合法性に疑問を感じた裁判官は、アリゾナ在住の夫婦によるマーシャル諸島人の子供を養子にするための嘆願を、最終決定を前に却下した。が、この判断は当時の控訴裁判所判事のアン・スコット・ティマー氏に、養子として引き取られるのが一番子供のためになるとして覆された。ティマー氏は現在アリゾナ州最高裁判所判事である。
 
ピーターセンの逮捕を受けての記者会見で、ユタ州司法長官のショーン・D・レイエス氏は子供を産んだ母親も里親たちも被害者として扱い、すでに引き取られた子供たちはこれからも里親と暮らすと語った。「我々はすでに引き取られた子供と里親の間に干渉するつもりは一切ありません。」とレイエス氏。「被害者を守ることが…我々の最優先事項です」
 
ユタ州の捜査官が話を聞いた養母は、ピーターセンがこのような悪事を働いていたとは全く知らなかったと言い、「赤ちゃん工場」と呼んでいた。フェニックスCBS 5の取材を受けた別の養母は、生母の出産にかかった医療費の請求書を受け取ったときに、日付が手続きを始める前だったと気がついたときに、初めてこれが詐欺だったと知ったと言う。「もし知っていれば、正直息子は養子にもらっていませんでした」と話した。
 
ピーターセンは現在マリコパ郡拘置所に拘束されており、保釈金は50万ドル。マリコパ郡管理委員会が圧力をかけているにもかかわらず、彼はまだ郡査定人から辞任していない。

Translated by Mika Uchibori

EJ Dickson

最終更新:10/19(土) 19:30
Rolling Stone Japan

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