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凄腕の営業マンらが駆使する悪魔的な話術、「相手に選ばせて絡め取る」とは

10/19(土) 6:01配信

ダイヤモンド・オンライン

 相手の主体性に任せているようで、実はこちらの意図通りに誘導する。そんなテクニックである「ダブルバインド」を、実際のセールスマンたちはどのように活用しているのか。これを知れば、「うまい営業トークに引っかからない」術を身につけられるかもしれない。(取材・文/フリーライター 武藤弘樹)

● 正解を模索する営業マンたち 人気がある心理学ベースのテクニック

 営業は商品の販売を使命とする職種だが、成約というゴールに向けてのアプローチは人や会社によってさまざまである。商品の良さをアピールするのが上手であったり、客に考える暇を与えないゴリ押しのテンポ感がつくられたりする営業は実績もそれなりによろしかろう。

 一方で「営業とは人と人との対人関係が根底にある」として、まず客との信頼関係を築こうとする営業もいる。「お客様に満足していただけることが至上」を掲げた営業は目先の数字を追わないが、その姿勢がかえって数字につながることもある。

 これらアプローチ法に正解はなく、適性があるのみである。会社的には「数字が出せる方法」が正解なのだが、目先の数字を追うばかりで顧客満足を蔑ろにしていては社に対しての信頼感が損なわれ、大局的なところで数字を失うかもしれない。どのアプローチが長い目で見てベターになるのかは、なかなかわかりづらい。

 だからまあ、そこはいったん不問にして、とりあえず適性に着目する。社風、商品の質と内容、そして営業マンの性格に、どのアプローチが適しているかを考える。自分がもっともやりたいスタイルか、もっとも効果をあげられるスタイルを各営業マンが悪戦苦闘しながら学び、選び取っていく。

 営業のハウツーは指南書やネットにあふれかえっているが、その中でも心理学を応用した営業テクニックには一定の人気がある。しかるべき学問に裏付けされた説得力と、学んだその日からすぐ試せるような実用性の高さが支持される理由であろうか。

 そうした営業テクの中に“ダブルバインド”というのがあるのはご存じだろうか。ダブルバインドが理想的にはまれば相手の選択を自分の意のままに操ることができるので、しばしば恋愛テクニックとして紹介されることもある。

 今回はできる営業マンや口説き上手な男性の話を交えながら、ダブルバインドについて紹介したい。

● 相手を意のままに操る 「ダブルバインド」とは

 まず知っておいてもらいたいのは、ダブルバインドは「二重拘束」を意味し、基本的にポジティブなコミュニケーション方法ではないということである。

 例えば親が子に「好きに遊んでいていいよ」と言い、子が存分に遊んでいると親が急に「いつまで遊んでいるの!」と叱る――。これはダブルバインドの典型的な例である。最初に発せられた命令と、2つ目の命令が完全に矛盾している。整合性が取れない2つの命令を出された子どもは混乱し、大変なストレスを与えられる。ダブルバインドに長い期間さらされた子どもは親の顔色をうかがって常におびえ、対人関係に重大な傷を抱えることもあるらしい。

 パワハラの現場ではダブルバインド上司による横行が日常的にまかり通っている。「何かわからないことがあったらすぐ聞け」という上司に質問しにいくと、「こんなこともわからないのか。自分で調べようと思わなかったのか」などと説教を食らう。これも典型的なダブルバインドである。

 「やる気がないなら帰れ」というので本当に帰ろうとすると激怒するなど、枚挙に暇(いとま)がないが、つまるところ上司の気分によって一貫性のない場当たり的な命令が下されているので、それを受ける側の部下は当惑し、悪くすると「何をしても叱られる」気がして病んでしまう。

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最終更新:10/19(土) 6:01
ダイヤモンド・オンライン

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