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映画「楽園」は事件で残された人を描いた作品だ

10/19(土) 8:00配信

東洋経済オンライン

『悪人』『怒り』など、次々と作品が映像化されているベストセラー作家・吉田修一の小説『犯罪小説集』を、『64 -ロクヨン-』を手掛けた瀬々敬久監督のメガホンで実写化した映画『楽園』が10月18日より公開されている。
青田に囲まれたY字路で起こった少女失踪事件。事件は未解決のまま12年の時が過ぎ、再び惨劇が起こる――。事件の容疑者として、住民の疑念から追い詰められていく青年・中村豪士役を綾野剛、消息を絶った少女と事件直前まで一緒だった親友・湯川紡役を杉咲花、そしてY字路に続く集落で、村八分になり孤立を深め壊れていく男・田中善次郎役を佐藤浩市が務める。

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その他、柄本明、村上虹郎、片岡礼子、黒沢あすか、根岸季衣、石橋静河ら豪華キャストがそろった。人生の歯車が狂い、運命に翻弄されてしまう人々が求める「楽園」とは何なのか――。瀬々監督に作品について聞いた。

■“場所”を描くのが上手い作家だと思っていた

 ――『楽園』を拝見して、これまで「犯罪」をモチーフにした作品を多く発表してきた吉田修一さんと瀬々監督というお二人の相性の良さを感じたのですが。

 相性というよりも、前々から吉田さんの本は読んでいましたし、ファンだったんですよ。犯罪に絡んだ小説を書かれているという意味もありますけど、それだけではありません。

 つねづね、吉田さんは“場所”を描くのがうまいとずっと思っていたんです。例えば『悪人』だと、都会と田舎との移動があり。その中で犯罪が行われる。“場所”が重要なポイントになっている。

 『平成猿蟹合戦図』も、歌舞伎町のホストが東北の田舎に帰って議員になるということで、それもやっぱり“場所”の移動がある。『さよなら渓谷』も、いわゆる東京近郊を舞台にした犯罪ということで、“場所”が重要になっている。

 そして今回の『犯罪小説集』もそう。僕らが映画化した2編(「青田Y字路」「万屋善次郎」)は、地方の閉塞的な空間の中にあるいろんな人間関係の中で事件が始まるわけですが、やはりそれも“場所”が重要なポイントになっているなと感じました。自分自身もロケーションにはこだわるほうなので、そこに共通のものを感じることはありますね。

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最終更新:10/19(土) 8:00
東洋経済オンライン

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