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なぜ、おじさんたちはグレタ・トゥンベリを嫌うのか─10代の少女に間違いを指摘されるなんて我慢ならない?

10/20(日) 7:30配信

クーリエ・ジャポン

グレタに向けられる「年齢」「性別」「障害者」差別のトリプル批判

“How dare you!”(よくもそんなことを!)。今年9月、ニューヨークで開催された国連気候行動サミットで、スウェーデン出身の16歳、グレタ・トゥーンベリは、激しい怒りと悲しみの表情を湛え、各国の首脳らにいますぐ温暖化対策の行動に出るよう強く訴えた。

彼女の主張を要約すると、「地球は悲鳴をあげている。環境システムは瓦解していて危機的な状況だ。いますぐ全世界で温暖化対策の行動にでなければ、私たちが大人になる頃には地球上の生態系は崩壊する。子どもの将来を真剣に考えているというならば、きちんと行動で示して」である。
もちろんスピーチでは、具体的な科学的調査結果や数字も述べており、それはパワフルで説得力のあるものだった。絶賛する政治家やジャーナリストは多く、事実、60ヵ国以上が、2050年までの実質排出ゼロ(ネットゼロエミッション)の達成を誓約したと報じられている。

ただ、 “How dare you!”(よくもそんなことを!)の「You(あなた)」が指すのは、サミットに参加していた各国の首脳らだけではない。彼女よりも年上で、有権者で、これまで環境問題に取り組んでこなかったすべての「大人たち」であり、これをいま読んでいるあなたも含まれているかもしれない。

温暖化を否定する“おじさん”たち

この単刀直入な物言いや強い口調の強さゆえか、彼女への注目が高まるにつれて、彼女の主張を「大人への憎悪」だと捉える人、また、指摘を受けて防戦・反撃体制になる大人も増えている。特に「中年以上の男性」「保守派の権力者に多い」と、保守派のおじさんがグレタを過剰に攻撃する様子を、米誌「アトランティック」、英紙「インディペンデント」、「ファイナンシャル・タイムズ」など各メディアが報じている。

トランプ米大統領をはじめ、保守派の政治家には温暖化を否定する人たちが少なくない。

米国の右派で保守的な福音主義の著作家のエリック・エリクソンはオンラインメディア「ザ・リサージェント」で「この子は恐怖心に支配されている。そして、彼女の両親は彼女が恐怖心にコントロールされていることに何も手を打とうとしていない」と彼女の両親を批判。「彼女の両親は子どもから健全な教育の機会を奪っている。だから、大人に説教を垂れるような子になるのだ」。

保守派オンライン誌「フェデラリスト」に寄稿するジャーナリスト、ジョナサン・S・トービンは、「両親を強制的にビーガンにさせ」「オペラ歌手だった母親を、空路での移動が多いことを理由にキャリアを諦めさせた」ことを持ち出し「子と親の立場が逆転している」と問題視。

また、オーストラリアの保守派の社会・政治コメンテーター、アンドリュー・ボルトは、「こんなに若くて、たくさんの精神疾患を患っていて、たくさんの大人からグル(指導者)と仰がれる少女を見たことがない」と発言。「彼女は、恐怖を求めて慢性的に終末論的に惹きつけられているようだ」といい、オーストラリアの政治評論家のクリス・ケニーは、助けが必要な「ヒステリックな10代」と中傷する。  

ほかにも、「彼女に必要なのは、お仕置きなのか心理的治療なのか。おそらく両方だな」といったツイートや、彼女の活動を中世の魔術に紐づけて論じている男性コメンテーターもいると、英紙「インディペンデント」は報じている。

「彼らは、グレタのことを話すとき、必ずといっていいほど『チャイルド(子供)』という言葉を使いますが、あれは言葉のあやではありません」。そう同紙に語るのは英国の作家、カミラ・ネルソン。彼女は、こうした保守派の中年男性たちについて「いかにもミソジニーらしい常套手段を使って、彼女のメッセージや論点を意図的にすり替えようとしている」と述べている。

「感情的だ、ヒステリックだ、精神障害だ、といった攻撃は、公に向けた女性の声を封じたり、女性の権威を弱体化させるのによく使われる手法です」

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最終更新:10/20(日) 7:30
クーリエ・ジャポン

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