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大型トラックへの衝突被害軽減ブレーキ装備はすでに義務化! それでも装着車が広まらない理由とは

10/20(日) 7:03配信

WEB CARTOP

大型車への安全装備の採用は乗用車以上に効果がある

 トラックやトレーラー、バスなどの大型車は事故を起こすと大規模になりがち。またフロントに出っ張りのないキャブオーバーということもあって、ドライバーの被害も深刻だったりする。そうなると安全装備をということになるのだが、乗用車については昨今、いろいろと話題になっているのでどういったものが付いているのかはわかるが、大型車ともなるとどうなっているのかピンとこない。というか、なにも付いていないのでは? と思ったりもする。

トラックやバスのホイールにナットの数が多い理由とは

 しかしじつはなにも付いていないどころか、乗用車に先んじていわゆる衝突被害軽減ブレーキの装着が義務化されているのだ。総重量22トン以上の大型トラック、13トン以上のトラクターは2014年11月以降、20トン以上22トン未満は2016年11月以降の新型生産車に装着が義務づけられ、それ以前のモデルでの継続生産車についても、すでに装着が義務づけられている。

 バスも悲惨な事故が起こっていることから同様に義務化が進んでいるが、こちらは少々遅れていて継続生産車まですべて装着されるのは、2021年11月まで待たないといけない状況ではある。ちなみに町中を走る路線バスは、立ち客もいることから突然のブレーキで転倒しないように、義務化は免除されている。

 乗用車に先んじて義務化しているのは、国土交通省などに聞いてもやはり悲惨な事故が多いから。逆を言えば、乗用車以上に効果があるともいえ、衝突速度が20km/h下がると、被追突車両の乗員の死亡件数を約9割減らせるというデータもあるほどだ。

商用車の寿命が長いために装着車への乗り替えが進まない

 衝突被害軽減ブレーキ以外にも、前走車追従機能付きのクルーズコントロールや左側や斜め後方監視、GPSによるアクセルやブレーキの制御など、乗用車以上の充実ぶりだったりもする。

 ただし、充実すればするほど価格が高くなるのは当然のこと。乗用車であれ、安全、そして快適はお金を出して買うという意識が高まっている流れにはなっているものの、商用車は収益にも関係してくるので、なんでもかんでも付ければいいというものでもないというのが実際。義務化以前にトラックメーカーの技術者に話を聞いたことがあるが、衝突被害軽減ブレーキは用意してもほとんど付けてくれないと嘆いていたのを今でも覚えている。

 その点では義務化は効果があるのだが、商用車の寿命は長く、大型トラックだと100万km超も珍しくなく、現状でも義務化前の車両が相当数走っているだけに、義務化で安全性のレベルが一気に上がったとは単純に言えないというのも事実だ。

 ただし、ドライバーの高齢化や人手不足など、運送業界は抱えている課題も多い。安全性のレベル向上や運転時のストレス低減などが、自動運転も含めた各デバイスによって少しでも実現できれば、それらの解消にもつながるだけに、今後の普及には注目したい。

近藤暁史

最終更新:10/20(日) 7:03
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