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キリン、ノンアルビールで「打倒アサヒ」なるか

10/20(日) 5:20配信

東洋経済オンライン

 国内ビール販売シェア2位のキリンホールディングス(HD)が、現在市場3番手に沈むノンアルコールビールの強化に躍起になっている。

【写真】キリンは戦略商品であるノンアルコールビール「キリン カラダ FREE」を発売した

 キリンHD傘下のキリンビールは10月15日、機能性表示食品のノンアルコールビール「キリン カラダ FREE」を発売した。同社は苦みを抑える効果と体脂肪を減らす効果がある「熟成ホップ由来苦味酸」成分を用いた「熟成ホップエキス」を自社開発。今回の新商品にこの熟成ホップエキスを使用した。

■キリンの戦略商品「カラダ FREE」

 キリンはこれまでに、機能性表示ノンアルコールビールとしては「パーフェクトフリー」なども販売している。だが、こういった商品は「脂肪の吸収を抑える」効果にとどまっていた。同社によると、200人の成人男女に新商品を1日1本、12週間飲用してもらった結果、おなかまわりの総脂肪(内臓脂肪と皮下脂肪)を減らす効果があったという。

 「カラダ FREE」は、2021年度を最終年度とするキリンの中期経営計画に沿った戦略商品だ。中計では多角化戦略を掲げ、酒類・飲料事業の「食領域」と、傘下の協和キリンが手がける医薬事業の「医領域」を強化し、さらにその間にある「医と食をつなぐ事業」を新たに開拓する。今回の新商品はこの中間領域に攻め込む武器と位置付けられている。

 キリンは9月、化粧品やサプリメントを手がけるファンケルを持ち分適用会社化した。健康意識の高まりや疾病予防の需要増加を見据えた動きで、今回のノンアルコールを含め、「今後も健康ニーズを開拓し、どんどん新商品を投入していく」(キリンビールの山形光晴マーケティング部長)という。

 ノンアルコールビールは、サントリーホールディングスが7月に機能性表示を備えた「からだを想うオールフリー」を投入。サッポロも尿酸値を下げる効能のある機能性表示食品のノンアルコールビールを開発中だ。

 ところが、国内ノンアルコールビール市場の規模はビール類市場の5%弱に過ぎない。ユーロモニターによると、2018年のビール類の販売量が約56億リットルだったのに対し、ノンアルコールビールは約2億6000万リットルにとどまる。販売額は約1兆8000億円のビール類に対し、670億円に過ぎない(2017年、富士経済調べ)。

■ノンアルコールビール市場の先駆者だったが…

 小さい市場であるにもかかわらず各社が傾注する理由は、市場が急速に拡大すると見ているからにほかならない。背景には、まず10月に実施された消費増税がある。ビールは消費増税の対象になり、駆け込み需要も起きた。一方、ノンアルコールビールは清涼飲料と同じ分類になり、軽減税率の対象となった。税率の差があることから、各社は今後ノンアルコールビールの需要が増えると見込む。

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最終更新:10/20(日) 5:20
東洋経済オンライン

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