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自動販売機は2台、信号機もATMもない過疎地での「プログラミング教育」の重要性〈AERA〉

10/23(水) 16:00配信

AERA dot.

 61歳で公立小学校の校長を定年退職した福田晴一さんが「新入社員」として入社したのはIT業界だった! 転職のキーワードは「プログラミング教育」。全国を教員研修で回っているうちに63歳となった。今回は、地方の教員研修の中で、過疎地の小規模な小学校を訪問したレポートを紹介する。

【プログラミング授業を行った全校生徒13人の小学校】

*  *  *
 今年度、私の教員研修は、県を3県、政令都市を1市、中核都市を3市、そして地方都市を1市担当している。年に数回、当該各地を訪問しのべ約350人の小学校の先生方にプログラミング教育を届けている。改めて顧みると、我ながらよく頑張っていると思う。

 先月は島根県の地方都市へ今年度2回目の指導訪問をした。実は今回、教員研修のほかに、久しぶりに子どもたちに直接プログラミングの授業をさせていただく機会をもった。

 通常なら、羽田空港から島根まで朝一番の飛行機で飛び、午後3時間の教員研修を実施し、最終の羽田行きの飛行機で帰京する、まさに弾丸日帰り出張だ。6時前に自宅を出て、夜10時過ぎの帰宅は、私の歳では結構きつい1日となる。

 この地方都市に長年の親交ある後輩校長がいる。彼は、その都市から車で山間部に30分ほど走らせたところにある、益田市立真砂小学校の校長を務めている。彼から「福田さん、せっかく島根まで来るんだから、うちの子どもたちに直接、プログラミングの授業をしてもらえんか……」ともちかけられた。腐れ縁もあることから、研修日に後泊して島根の新鮮な魚に舌鼓を打つ約束で、子どもたちへのプログラミング授業を快諾したのだ。

 日本海の海鮮に満足した翌朝、彼の車で学校に向かう。その学校は、明治一桁に開校した長い伝統ある学校であるが、時代の流れとともに現在は、全校児童13名の過疎地典型の複式学級(低中高別クラス)の小学校である。

 宿泊した駅近くのホテルから車で5分も走ると、渓流釣りで有名な川沿いの道となり、景色が一変する。さらに支流に入ると、彼は車窓から道中の人々と挨拶を交わしながら車をゆっくり進める。小学校の校長というより、地域コミュニティーのチェアマンのようだ。集落に入り細い道を進むと、歴史ある石の門柱の向こうに木造二階建ての小さな学校が現れた。

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最終更新:10/23(水) 16:00
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