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エアバスが世界最大の旅客機「A380」を“引退”させる本当の理由

10/21(月) 12:11配信

WIRED.jp

「エアバスA380」は世界最大のジェット旅客機である。その名を聞いて思い浮かべるのは、豪華なファーストクラスの座席、会社の経費で乗るビジネスクラスのフライト、そして多くの旅客機よりもリラックスできるエコノミークラス──といったものかもしれない。この総2階建ての旅客機は、ライヴァル機を上回る快適性と安定性をもっている。

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なかには極端と思えるような仕様もある。フラットベッドのプライヴェートスイート、空中ラウンジとカクテルバー、座席ごとにあるパーソナル・ミニバーといったものだ。エミレーツ航空にいたっては、保有するA380にシャワースパまで備えている。「わたしたちは世界で最も乗客に望まれる航空機を開発したのです」と、エアバスで経営分析と市場予測の責任者を務めるボブ・ラングは語る。

それでは、なぜエアバスはこの機体の生産打ち切りを決めたのだろうか?

エアバスがA380の生産開始から12年を経て2021年以降に打ち切る決定を下した主な理由は、機体の販売数の少なさにある。「結局のところ事実を直視しなければなりません。当社がA380を生産するスピードに対して、注文の入る勢いが弱い状況になっていました」と、ラングは説明する。

エミレーツ航空の成功が不振の引き金に

エミレーツ航空は、A380を大量購入した唯一の航空会社である。このスーパージャンボジェットが2007年に市場投入されてから発注された300機あまりのうち、エミレーツ航空からの発注が半数にも上る。エミレーツはすでに110機のA380を就航させており、さらに13機以上が発注済みとなっている。

ところが、このドバイを拠点とする航空会社さえ今年2月14日のバレンタインデーに、最終的な発注数を39機も減らすことに決めた。162機だった発注を123機に減らしたのである。これが事実上、世界最大の航空機の終焉を示唆する動きとなった。

こうしてエアバスは、A380の生産終了を発表した。「A380にとっての最大の成功は、エミレーツ航空との(12年にわたる)共生関係でした」と、エアバスのラングは言う。

ところが、それがA380の凋落の一因にもなった。ラングは次のように説明する。「エミレーツ航空はこの機体によって、ほかのどの航空会社よりも成功を収めました。しかし皮肉なことにその成功のおかげで、ほかの航空会社は対抗できるだけの十分な規模の市場をなかなか見つけられなかったのです」

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最終更新:10/21(月) 12:11
WIRED.jp

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